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GSM-EFR 、GSM Enhanced Full Rate、あるいはGSM 06.60 は GSM デジタル携帯電話システムで用いられる音声符号化方式で、それまでに使われていた GSM-FR(GSM Full Rate)の音質を改善するために開発された。コーデックのビットレートは 12.2kbps で、有線の電話回線で使われる G.726 32 kbps ADPCM と同等の音質を実現している 〔R.Salami, et.al., ''Description of GSM Enhanced Full Rate Speech Codec,'' Proc. of International Communications Conference, 1997.〕。 また、3GPP が採用した音声符号化方式である AMR の 12.2kbps モードは GSM-EFR と互換性がある。 == 概要 == GSM-EFR は GSM-FR や GSM-HR に続いて採用された音声符号化方式で、現在の仕様は ETSI 06.60 (ETS 300 726) で定義されている。 フィンランドの電気通信機器メーカーであるノキアとカナダのシャーブルック大学が開発を行い、1995年に GSM-EFR の方式として採用され 、その後最初の仕様書が1997年に発行された 。 それまでに GSM で使われていた GSM-FR や GSM-HR と比べ音質が向上しており、従来の符号化方式が通信エラーの無い条件でも有線の電話回線以下の音質なのに対し、GSM-EFR は典型的な通信エラーの条件や背景雑音のある環境でも有線の電話回線と同じ音質を維持できる。 GSM-EFR では符号化アルゴリズムとして CELP の一種である ACELP を用い、符号化に必要な演算量はハーフレートコーデックの GSM-HR より低い。 GSM-EFR の特徴は以下の通りである 。 * 入出力のサンプリング周波数は 8 kHz/ 13 bit * ビットレートは 12.2kbps(31バイト/20 ms に丸められた場合 12.4kbps) * ACELP アルゴリズムを使用 * 20 msのフレーム長 * 符号化遅延は 20 ms * 必要な演算量は 18 MIPS 程度〔Jacob Benesty, M. M. Sondhi, Yiteng Huang (ed). ''Springer Handbook of Speech Processing''. Springer, pp.389, 2007. ISBN 978-3540491255.〕 * 12.2kbps AMR と互換性がある。 GSM-EFR の符号化データを RTP を用いインターネット上で送るためのデータ形式は、IETF標準の RFC 3551 で定義されている 。 符号化データは 31バイト/20 ms に丸められるため、VoIPなどでのビットレートは 12.4kbps になる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「GSM-EFR」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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