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炭酸(たんさん、)は、化学式 H2CO3 で表される炭素のオキソ酸であり弱酸の一種である。 == 性質 == 普通は水溶液(炭酸水)中のみに存在し、水に二酸化炭素を溶解(炭酸飽和)することで生じる。 : 水に溶解した二酸化炭素の一部は水分子の付加により炭酸となる。 : この反応の平衡定数 (''K''h) は 25 ℃で 1.7 × 10−3 であり〔Welch, M. J.; Lipton, J. F.; Seck, J. A. (1969). "Tracer studies with radioactive oxygen-15. Exchange between carbon dioxide and water". ''J. Phys. Chem.'' 73: 3351–3356. DOI: 10.1021/j100844a033 〕、著しく左に偏っているため水溶液中の二酸化炭素の大部分は CO2 分子として存在する。触媒が存在しない場合、二酸化炭素と炭酸の間の反応が平衡に達する速度は低く、正反応の速度定数は 0.039 s−1、逆反応の速度定数は 23 s−1 である。 二酸化炭素と炭酸の平衡は体液の酸性度を調節する上で非常に重要であり、ほとんどの生物はこれら2つの化合物を変換させるための炭酸脱水酵素を持っている。この酵素は反応速度をおよそ10億倍にする。 炭酸は水溶液中で2段階の解離を起こす。25 ℃における酸解離定数は1段階目が p''K''a1 = 3.60、2段階目が p''K''a2 = 10.25 であり、炭酸は真の解離定数において酢酸よりも強い酸であるが、上記の二酸化炭素との平衡が存在するために、見かけ上の p''K''a * が高い非常に弱い酸である。このため炭酸塩は相応の塩基性を示し、灰汁として古代より日常生活のアルカリとして洗浄などに活用されてきた。 : : : 酸解離に関する標準エンタルピー変化、ギブス自由エネルギー変化、エントロピー変化の値が報告されており〔D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982).〕、解離に伴いエントロピーの減少がおこるのは、電荷の増加に伴いイオンの水和の程度が増加し、電縮が起こり水分子の水素結合による秩序化の度合いが増加するからである〔田中元治 『基礎化学選書8 酸と塩基』 裳華房、1971年〕。この値は以下の平衡に対するものでp''K''a1 *は見かけの酸解離定数である。 : , : , : : 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「炭酸」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Carbonic acid 」があります。 スポンサード リンク
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