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IPCC報告書における中世温暖期と小氷期の記述(英語:Description of the Medieval Warm Period and Little Ice Age in IPCC reports、IPCC=気候変動に関する政府間パネル)は、1990年の最初の報告書以降、過去1000年の温度記録の科学的理解が向上するにつれて変化してきた。中世の温暖期(MWP)と小氷期(LIA)は、前の千年紀において最もよく知られた気温変動である。その後の報告書のホッケースティック曲線の批判者達は、どの報告書もその現象を議論はしているが、MWPとLIAに関する記録はIPCC第3次評価報告書において抑圧されたと主張している。しかし最新の報告では、地域によっては今よりも温暖であった可能性があるものの、地球全体での平均気温は今よりもずっと寒冷であったと見られている〔Science, Vol. 326 no. 5957 pp. 1256-1260,27 November 2009 〕。 == 1990年報告書(FAR:IPCC第1次評価報告書) == 1980年代に地球温暖化に対する興味が高まり、過去の温度記録に新たな関心が寄せられ、昔は"現在"よりも温暖だったのか、それとも、寒冷だったのかという疑問が持ち上がった。しかし、このとき利用可能な記録はごく僅かでしかなかった。 1990年の報告書〔IPCC, 1990: ''Climate Change, The IPCC Scientific Assessment''. J.T. Houghton, G.J. Jenkins and J.J. Ephraums (eds.), Cambridge University Press, Cambridge, UK, 365 pp.〕では過去1000年(計測器による時代を除く)の"観測された気候変動と変化"に関する7章の議論は1ページにも満たない。 7章の過去1000年間の温度の変動を表すために用いられた曲線は非定量的な模式図である。縦軸の温度の目盛りは"温度変化(℃)"と名付けられているが、数値ラベルは与えられていない。これはMWPとLIAの温度変化がそれぞれ1900年頃の温度から0.5℃程度のオーダーであったことを意味するものとして受け取ることができるかもしれない。そのセクションは最近の気候変動がおそらく2℃未満の範囲であったことを明確に述べる。1990年の報告書は示されたすべての変動が本当に地球規模だったかどうかは明らかでないことを注記している(p.202)。この図は明確な出典が示されていない。 (Hubert Lambによる中部イングランドの気温復元推定〔H.H. Lamb, 1965: The earlier medieval warm epoch and its sequel. ''Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology'', 1:13-37.〕〔H.H. Lamb, 1982: ''Climate: history and the modern world''. Methuen, 図30〕に由来すると推測されている。この曲線の機器観測のない1650年以前の部分は文書記録などを主観的に総合したものである。IPCC FARではこの由来を参照せず全球の気温変化の模式図として使った〔P.D. Jones et al., 2009: High-resolution palaeoclimatology of the last millennium. ''The Holocene'', 19:3-49 , Appendix A.〕。) この曲線は1992年の補足報告書以後のIPCC報告書には姿を見せなくなった。 1990年の報告書内では、LIAは地球規模の広がりがあると見なされたが、MWPはそうではない。この1000年間にわたる気候は、1990年の報告書の政策決定者向け要約(SPM)において非常に簡単に言及されている。MWPに関しては全く触れずに、LIAは「...おそらく1℃程度しか変動していない。いくつかの変動は数世紀にわたって続き、19世紀に終わったLIAを含め、地球規模の広がりがあったようだ」と記述された。MWPは、7章の要旨(executive summary)において「西暦1000年頃のMWP(それは地球規模でなかったかもしれない)」と述べられている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「IPCC報告書における中世温暖期と小氷期の記述」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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