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J-2ロケットエンジンは、アメリカ合衆国で開発された液体燃料ロケットエンジン。ロケットダイン社が製造しており、スペース・シャトルのメインエンジン(Space Shuttle Main Engine, SSME)が誕生するまでは、アメリカ合衆国で最大出力の液体水素を燃料とするロケットエンジンであった。またNASAの中止されたコンステレーション計画において、アレスI およびアレスV の二段目ロケットとして運用することが予定されていた。 == 概要 == J-2はサターンIB 型ロケットおよびサターンV 型ロケットの主要な構成部分であり、S-II(サターンV 第二段)には5基、S-IVB(サターンIB 第二段およびサターンV 第三段)には1基が使用された。ノヴァ・ロケット(計画倒れに終わった、サターンV よりも巨大な幻のロケット)の上段では、より多くのJ-2を使おうという提案が出されたこともあった。 J-2エンジンの最大の特徴は、一度燃焼を停止させたものを、宇宙空間で再度点火することが可能であるということである。サターンV の第三段は最初から二回噴射することが予定されていて、一回目は2分間の噴射でアポロ宇宙船を地球周回軌道に到達させ、いったんエンジンを停止して飛行士が軌道上で宇宙船に異常がないかどうかを確認した後、再度6分半噴射して宇宙船を脱出速度まで到達させ、月へと向かわせるというものであった。 エンジンの推力は 1,033.1 kN (232,250 lbf)、比推力(''I''sp)は真空中で421秒(4.13 km/s) (または海面高度で200秒(2.0 km/s))で重量は約1,788kg (3,942 lb)である。サターンVの2段目であるS-IIには5基、サターンIBとサターンVの両方の上段であるS-IVBには1基が使用された。 提案では同様に既存のJ-2エンジンをより大型のロケットであるNovaの上段に複数使用する計画もあった。J-2はアメリカにおいてSSME(RS-25)以前には最も量産された液体水素を燃料とするロケットであり、近代化されたJ-2XがNASAのスペースシャトルを代替するスペース・ローンチ・システムの地球離脱ステージでの使用が見込まれる。 当時運用中だった多くの液体燃料ロケットエンジンとは異なり、J-2はサターンVの3段であるS-IVBでは飛行中に停止後1度再着火するように設計された。約2分間の最初の燃焼でアポロ宇宙船は待機軌道へ投入される。乗員の点検後、宇宙船は通常の運航になり、J-2は地球の引力圏を脱出して月へ向う遷移軌道へ向けて加速するために再着火され6.5分間燃焼する。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「J-2ロケットエンジン」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Rocketdyne J-2 」があります。 スポンサード リンク
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