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KRAS
GTPアーゼKRasは、ヒト''KRAS''遺伝子にコードされるタンパク質の一種である 。カーステン・ラット肉腫ウイルス癌遺伝子ホモログ(v-Ki-ras2 Kirsten rat sarcoma viral oncogene homolog)としても知られている。K-rasとも呼ばれる。 H-ras、N-ras、K-rasのrasがん遺伝子とされるもののひとつで、現在EGFR(上皮成長因子受容体)が出す細胞増殖のシグナルを核に伝達して、細胞増殖を進めるアクセルとしての機能を持つと考えられる。また、K-ras遺伝子の変異とがん化の促進に関係があると考えられている。 正常なKRAS遺伝子のタンパク質産物は、正常な組織シグナル伝達において必須の機能を果たすが、KRAS遺伝子の変異は多くのがんの発生における必須段階である。その他のRasファミリーのメンバーと同様に、KRASタンパク質はGTPアーゼであり、多くのシグナル伝達経路において上流に位置する。KRASは、C末端にイソプレニル基が存在するため、通常は細胞膜につながっている。 ==機能== KRASは分子オン/オフスイッチとして働く。オンになると、成長因子やC-RafおよびPI3キナーゼといったその他の受容体のシグナルの伝播に必要なタンパク質を集めて活性化させる。KRASは活性化状態ではGTPに結合し、このヌクレオチドの末端リン酸基を切断しGDPに変換する酵素活性を有する。GTPがGDPに変換されると、KRASのスイッチはオフとなる。変換の速度は通常遅いが、GTPアーゼ活性化タンパク質 (GAP) に属する付属タンパク質(例えばRasGAP)によって劇的に加速される。同様に、KRASは結合ヌクレオチドの放出を推し進めるグアニンヌクレオチド交換因子 (GEF) のタンパク質(例えばSOS1)に結合できる。その後、KRASは細胞質基質に存在するGTPに結合し、GEFはras-GTPから離れる。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「KRAS」の詳細全文を読む
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