|
L-410は、チェコスロバキア時代にLETクノヴィツェ社が開発したターボプロップ双発旅客機である。ソ連などのほかの東欧諸国でもレシプロ複葉機であるAn-2の更新用として多数が導入された。総生産機数は1,100機以上。 ここではその派生型であるL-420についても述べる。 == 概略 == LETクノヴィツェは、ソ連を除く東欧諸国では随一の航空機メーカーであり、地方の旅客や貨物運搬用、航法訓練用など多目的に投入するために開発されたもので、1969年4月16日にプロトタイプである初号機が初飛行に成功した。 このプロトタイプは、チェコスロバキア国産の ターボプロップエンジン開発遅延のため、プラット・アンド・ホイットニー・カナダ PT6A-27 ターボプロップエンジンを装着して使用された。 PT6A-27 エンジンを装着し量産されたものがL-410Aである。L-410Aが航空会社に就航したのは1971年であった。 M601 エンジンの開発成功後は、三枚ブレードのアヴィア V508 プロペラと共にM601 エンジンへ換装された。この量産型がL-410Mである。 また、アエロフロート用としてSTOL性能を高めたL-410M UVPが開発された。L-410M UVPはSTOL性能を高めた代わりに、空虚重量が増加し、さらに重心も移動させたため、搭乗可能旅客数が15名まで減少した。 もっとも多く運用されているL-410M UVP-Eは、最大離陸重量を6,400kgにまで高めたもので、強化されたM601E エンジンと共に、5翔のV510 プロペラを装備し、搭載燃料量を増加させるため翼端に増槽タンクを取り付けた。 L-410UVP-E9とUVP-E20は様々な証明、法規に起因するマイナーチェンジ版で、最後に製造されたL-420は、M601F エンジンを装着した派生型である。L-410M UVP-Eで6,400kgだった最大離陸重量は、UVP-E9とE20では6,600kgにまで増加し、これにより搭載可能乗客数も17-19名にまで増加した。 L-410M UVP-Eは、非与圧の全金属型高翼コミューター機で、引き込み式の降着装置を装備する。また、主用と非常用の2系統からなる油圧系統を持ち、主電源系統は直流28Vである。防氷装置は主翼前縁に除氷ブーツを装備し、プロペラ、操縦室風防、ピトー・スタティック系統の防氷は電熱によって行う。 この航空機は、計器飛行方式による運航が可能で、カテゴリーIの計器着陸装置を用いた着陸ができ、また、アイシングコンディション下の運航も可能であり、未舗装滑走路からの発着も可能である。 1,100機以上が製造され、おおよそ500機近くが現在も運用されている。多くはソ連に供給されたが、その多くは売却されており、アジアやアフリカ、北アメリカで運用されている。40機はヨーロッパでコミューターかスカイダイビング用に運用され、また、数は不明だがロシアや旧ソ連圏にも存在する。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「L-410 (航空機)」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Let L-410 Turbolet 」があります。 スポンサード リンク
|