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LIDAR(英語:Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging、「光検出と測距」ないし「レーザー画像検出と測距」)は、光を用いたリモートセンシング技術の一つで、パルス状に発光するレーザー照射に対する散乱光を測定し、遠距離にある対象までの距離やその対象の性質を分析するものである。日本語ではライダー、ライダとカタカナ書きされることも多い。軍事領域ではしばしばアクロニム LADAR (Laser Detection and Ranging) が用いられる。 この技法はレーダーに類似しており、レーダーの電波を光に置き換えたものである。対象までの距離は、発光後反射光を受光するまでの時間から求まる。そのため、レーザーレーダー (Laser radar) の語が用いられることもあるが、電波を用いるレーダーと混同しやすいので避けるべきである。 ライダーは地質学、地質工学、地震学、リモートセンシング、 大気物理学で用いられる。 == 概説 == ライダーとレーダーの最も基本的な相違は、ライダーはレーダーよりも遥かに短い波長の電磁波を用いることである。典型的には紫外線、可視光線、近赤外線である。一般的に、検出できる物体や物体の特徴のサイズは、波長を下回ることができない。従って、ライダーはレーダーよりもエアロゾルや雲の粒子の検出に向いており、大気の研究や気象学にとって有用である。 ある物体が検出されるには、伝導性に不連続性があり進行してきた波を反射する必要がある。レーダー(マイクロ波またはラジオ帯域)波は金属物によって効率よく反射されるが、雨滴や岩といった非金属は反射を起こしにくく、物質によってはまったく反射が検出できず、レーダーでは見つからない場合がある。エアロゾルや分子のような極めて小さな対象は特に不得手である。 レーザーを用いるとこれらの問題は解決する。レーザーの光束は密度が高く、コヒーレントも高い。それだけでなく、波長が極めて短い(10 μm から紫外光では250 nmに及ぶ)。このような電磁波は小さな物体によっても極めてよく「反射」(後方散乱と呼ばれる)される。ライダーの使用法によっては、別の種類の散乱が利用される。レイリー散乱、ミー散乱、ラマン散乱、蛍光である。ライダーの波長は煙などの大気によって運ばれる粒子(エアロゾル)、雲、大気の分子の測定に最適である。 レーザーの光束は通常極めて絞り込まれ、細いビームとなっているので、極めて高い光学的解像度を以て大気の特徴をマップすることができる。更に、多くの化学物質において、可視光はマイクロ波に比べ強く相互作用するので、それらを検出する感度が高い。各種波長のレーザーを上手に組み合わせれば、散乱光の強度と波長との関係から、大気の組成を離れた所から調べることができる。 ライダーは大気の研究と気象学に主に用いられてきたが、近年では航空機や人工衛星に「ルックダウン」 downward-looking 型のライダーを搭載して行う調査やマッピングの方法が開発されるようになった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「LIDAR」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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