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LINC : ウィキペディア日本語版
LINC
LINC(; 実験器具コンピュータ)は、12ビット、2048ワードのコンピュータ。LINCは世界初のミニコンピュータであり、同時に世界初の個人用コンピュータ(パーソナルコンピュータ)と呼べるものであった〔例えば William H. Calvin letter ''The Missing LINC'', ''BYTE'' magazine April 1982 page 20〕。
LINCおよびMITの Linc Computer(1980年〔B.I. Charles, The Charles Babbage Institute Newsletter, Palo Alto, Calif: The Institute. 2:1.
〕にDECが開設した博物館によれば、DECがプロジェクトに参加する前はそのように呼ばれていた〔)は、MITで設計され、最終的にディジタル・イクイップメント・コーポレーション (DEC) と Spear Inc. (後に Becton Dickinson and Company が子会社化)が製造した〔W. Clark, “The LINC was early and small,” Proceedings of the ACM Conference on The history of personal workstations, Palo Alto, California, United States: ACM, 1986, pp. 133-155.
〕。当時4万ドル以上の価格で販売された。6フィート×20インチのラックに格納された構成が多く、テープドライブ、小型ディスプレイ、制御パネル、キーボードが入っている4つのボックスから成る。
その命令セットは小さかったが、PDP-8の命令セットに比べれば大きかった。
実験で使用するのに便利なインターフェイスを備えていた。アナログ入出力は基本設計の一部となっている。1962年リンカーン研究所Charles MolnarWesley Clark が〔presentations at The Computer Museum, Marlborough, in the hands of its successor, The Computer History Museum〕、アメリカ国立衛生研究所 (NIH) のために設計したものである。LINCの設計が文字通りパブリックドメイン化されたことで、コンピュータ史上でもユニークなマシンとなっている。LINCの生産台数や誰が製造したかということはあまり問題にされない。ある文献によれば、24台のLINCがMITのサマーワークショップで組み立てられたという。DEC(1964年から)と Spear Inc.〔E.C. Toren, R.N. Carey, G.S. Cembrowski, and J.A. Schirmer, “Computer-Controlled Instrument System for Sequential Clinical Chemical Testing. I. Instrumentation and System Features,” Clin Chem, vol. 19, Oct. 1973, pp. 1114-1121.
〕 が製品化し製造した。
ゴードン・ベルは、LINCプロジェクトが1961年に始まり、1962年3月に1台目が完成したとしており、それが正式に撤収されたのは1969年12月のこととしている〔C. Gordon Bell writing in ''Computer Engineering a DEC View of Hardware Systems Designs'' (c) Copyright originally held by Digital Press, out of print but available at Bell's web sites, pp 176–177〕。DEC製のモジュールと筐体を使って全部で50台が生産され、多くがリンカーン研究所で組み立てられた。1台目のLINCには2つのオシロスコープが表示装置として備えられていた。DECは製品版21台を43,600ドルで販売。標準の開発用ソフトウェア(アセンブラ/エディタ)は Mary Allen Wilkes で、最終版は LAP6 (LINC Assembly Program 6) と呼ばれていた。
== 制御パネル ==
LINCの制御パネルの機能はプログラムのステップ実行機能だけではなく、あらゆる意味でデバッガ機能を備えていた。例えば、プログラムカウンタがスイッチで設定した値になったところで実行を停止することができた。より重要な機能として、プログラムがスイッチで指定したアドレスにアクセスしたときに停止させる機能もあった。シングルステップ実行や停止状態からの復帰は自動的に繰り返し行うことができた。繰り返しレートは毎秒1命令から最高速度の半分の速度まで、制御パネルにあるアナログノブとセレクトスイッチ(4位置)で選択可能だった。プログラムを毎秒1命令で実行開始して、徐々に加速させて最高速度まで持っていくこともでき、コンピュータの速度というものを体感することができたのである。
アナログノブはマウスのような入力デバイスとして利用でき、例えばディスプレイでのグラフ表示の拡大縮小、ディスプレイでのカーソルの移動といった制御が行われていた。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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