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LSD25 ( リダイレクト:LSD (薬物) ) : ウィキペディア日本語版
LSD (薬物)[りぜるぐ]

リゼルグ酸ジエチルアミド(リゼルグ酸ジエチルアミド、リゼルギン酸ジエチルアミド、)は、非常に強烈な作用を有する半合成幻覚剤である。ドイツ語「Lysergsäure Diäthylamid」の略称であるLSD(エルエスディー)として広く知られている。
開発時のリゼルグ酸誘導体の系列における25番目の物質であったことからLSD-25とも略される。また、アシッド、エル、ドッツ、パープルヘイズ、ブルーヘブンなど様々な俗称がある。
LSDは化学合成されて作られるが、麦角菌ソライロアサガオハワイアン・ベービー・ウッドローズハワイアン・ウッドローズ等に含まれる麦角アルカロイドからも誘導される。
純粋な形態では透明な結晶〔このまま市場に出回ることはない〕 であるが、液体の形で製造することも可能であり、これを様々なものに垂らして使うことができるため、形状は水溶液を染みこませた紙片、錠剤、カプセル、ゼラチン等様々である。日本では吸い取り紙のような紙にLSDをスポットしたペーパー・アシッドが有名である。
LSDは無臭(人間の場合)、無色、無味で極めて微量で効果を持ち、その効用は摂取量だけでなく、摂取経験や、精神状態、周囲の環境により大きく変化する(セッティングと呼ばれる)。一般にLSDは感覚や感情、記憶、時間が拡張、変化する体験を引き起こし、効能は摂取量や耐性によって、6時間から14時間ほど続く。
日本では1970年に麻薬に指定された。
== 構造 ==

LSDはインドール核を有し、セロトニンノルアドレナリンドーパミンによく似た構造を持つ(LSDの4つの環のうち2つはセロトニン分子の環系であり、セロトニンにつく側鎖はLSDの構造の一部に類似している)。そのためLSDはセロトニン受容体に結合し、5-HT2アンタゴニストとして、5-HT1A5-HT1Cアゴニストとして働き、セロトニンの作用を阻害するために幻覚が起こると考えられている(逆にLSDの服用後にセロトニンを服用することで幻覚の発現を抑えることができる)。ただし、2-ブロモ-LSDはLSDよりもセロトニンに拮抗するものの、かなり大量に投与してもサイケデリック効果は生じないため、確定的な説とは言えない〔ソロモン・H.スナイダー『脳と薬物』 佐久間昭訳、東京化学同人、1990年。ISBN 4807912186。191-205頁(原著''Drugs and the Brain'', 1986)。〕。
LSDには立体異性体が存在し、それぞれd-LSD (d-lysergic acid diethylamide)、l-LSD (l-lysergic acid diethylamide)、d-イソ-LSD (d-iso-lysergic acid dithylamide)、l-イソ-LSD (l-iso-lysergic acid dithylamide) がある〔A.ホッフマン『LSD-幻想世界への旅』 38頁。ISBN 978-4788501829。〕。普通に「LSD」というときは右旋性のd-LSDを指し、他のものは薬理学的に不活性である〔。また、LSDに似た働きをするリゼルグ酸アミドもいくつかあり、l-アセチル-LSD (ALD-52) はLSDの91%の効力を持ち、LSDの代用品としてしばしば売られる〔レスター グリンスプーン、ジェームズ・B. バカラー 『サイケデリック・ドラッグ』 ISBN 978-4875023210。29頁。〕。l-メチル-LSD (MLD-41) もLSDの36%の効力を持っている〔レスター グリンスプーン、ジェームズ・B. バカラー 『サイケデリック・ドラッグ』 ISBN 978-4875023210。30頁。〕。
LSD分子は非常に脆弱なことで知られている。ごく微量の塩素によっても破壊されてしまい、空気中の酸素等の影響を受けると、iso-LSDへと変化し、光に晒されたことで分解されてできる物質lumi-LSDは、LSDと区別が非常に難しい上に不活性である〔レスター グリンスプーン、ジェームズ・B. バカラー 『サイケデリック・ドラッグ』 ISBN 978-4875023210。129-130頁。〕。
ブラックライトに当てると強く青白く発光するため、本物かどうかの検定に使用される〔Lester Grinspoon. , James.B.Bakalar. Psychedelic Drugs Reconsidered (Harpercollins College Div 1979) ISBN 0-46-506450-7〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「LSD (薬物)」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Lysergic acid diethylamide 」があります。




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