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MOND ( リダイレクト:修正ニュートン力学 ) : ウィキペディア日本語版
修正ニュートン力学[しゅうせいにゅーとんりきがく]
修正ニュートン力学(しゅうせいニュートンりきがく、、略称 )とは、銀河回転の問題を説明するために暗黒物質の存在を仮定することなく、力学法則を変更することによってその説明を試みた力学理論の仮説のひとつである。 '')とは、銀河回転の問題を説明するために暗黒物質の存在を仮定することなく、力学法則を変更することによってその説明を試みた力学理論の仮説のひとつである。
== 概要 ==
太陽系のように中心に大質量が集中しているとき、逆二乗則に従う万有引力のもとでは、その中心の周りを円運動する天体の速さは距離の平方根反比例して減少する。 一方、銀河円盤における天体の運動の速さは、ドップラー偏移の観測により銀河の中心からの距離によらずほぼ一定であることが明らかとなっている。 銀河の質量分布は太陽系のように中心に集中したものではないが、観測されている銀河の構造から推定された質量分布を仮定してもこの一様な速さは説明できず、銀河円盤はやはり中心に近いところでより高速に運動していなければならない。 この銀河回転問題天文学者に銀河の構造に対する謎を突き付けることとなった。 この問題に対して現在広く受け入れられている説明は観測にかからない暗黒物質(ダークマター)が存在するためだとするものである。 すなわち、銀河を取り巻くハロの部分に銀河の可観測部分をはるかに越える巨大な質量を持つ未知の物質が存在し、銀河を安定させ一定の回転速度をもたらすようなちょうどよい質量分布をもつのだとしている。
1983年イスラエルの物理学者モルデハイ・ミルグロムはこの銀河回転問題に対しまったく別の大胆な有効理論を提出した。 未知の物質があるのではなく、銀河スケールの力の法則の方が通常信じられているニュートン力学とは違っているのだとしても、同様に観測結果を説明できるはずである。 この考えに基づいて運動の基本法則に変更をせまる現象論的な理論が MOND である。 簡単に言えば、MOND では太陽系のスケールのように距離が比較的近い場合には重力が万有引力の法則と同様に距離の逆二乗に比例した力を及ぼすが、恒星間など距離が大きくなるとその実質的効果が距離の逆一乗(反比例)に漸近すると考える。 すなわち、遠距離では重力による影響はニュートン力学で与えられるものよりも相対的にずっと大きなものとなる。 距離に反比例する加速度は銀河の回転速度をごく自然に説明し、これによって暗黒物質を仮定する必要はなくなる。
ニュートンが確立した重力の法則は地上や太陽系のスケールでよく検証されており、相対論が必要となる特殊な現象を除けばほとんどの場合物体の運動をよく表していることが明らかである。 銀河のスケールであったからといって異なる運動の法則が必要となるとは一般には信じられていない。 しかし、重力はそれ自体極めて弱い力であるため、銀河のように働く力がさらに弱い場合の直接的な検証がなされてきたわけでもなかった。 この点に物理学の基本法則に重大な変更を迫る MOND が科学的仮説として成立しうる一因がある。
しかし一方で、MOND が迫る変更は物理の枠組みに与える影響の重大性と比べてやや場当たり的な変更であり、また相対論的なものでもないため、多くの物理学者や宇宙論者の支持を容易に得られるものでもなかった。 それでも、現在ではいく人かの物理学者によって MOND の相対論バージョンが提出されてきている。 最も有名なものはブラックホールエントロピー論で有名なイスラエルのヤコブ・ベッケンシュタインが 2004年に発表した TeVeS (Tensor-vector-scalar gravity) である〔; Erratum ''ibid.'' D71, 069901, 2005, (arXiv: astro-ph/0403694v6 )〕。 これは重力に複数の場を持ち込み、非相対論的極限において MOND と一致する一方で、重力レンズのような相対論的現象も説明でき、それが導く宇宙論も一般相対性理論が予測するものと大きく違わないとされる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「修正ニュートン力学」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Modified Newtonian dynamics 」があります。




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