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MRAP(英語:Mine Resistant Ambush Protected、エムラップ、耐地雷・伏撃防護車両〔基礎情報隊が作成した情報資料(平成22年9月分ないし11月分)及び当該記事一覧の一部開示決定に関する件(文書の特定)、P6 〕)は、アメリカ国防総省がイラク駐留軍やアフガニスタンに配備するために大量購入を行っている装輪装甲車輌の一群である。 イラクにおいて多発するIEDや路肩爆弾などを使用した強力な爆発から、輸送車列やパトロール車輌に搭乗するアメリカ軍兵士を守ることを目的に取得された装輪装甲車輌が、2007年からイラクへの配備が開始された。また、IEDによる攻撃手法はアフガニスタンへも持ち込まれ、国際治安支援部隊(ISAF)にも被害が拡大しているため、同様の対応がとられている。 現在進められているMRAP-I計画では車輌の用途によってカテゴリー1-3に分けられている。MRAP-I計画と同時平行されているMRAP-II計画によって新たな対爆性(Blast-resistant)をそなえた装輪装甲車輌の開発も行なわれている。 == イラク駐留軍の状況 == イラク駐留が開始されてから2009年初頭に至るまで、イラク駐留多国籍軍兵士の最大の死傷原因は道路脇や道路地面下に仕掛けられたIEDによるものであった。 米軍の死者数は、2007年5月には1ヶ月間としては過去最高の90人を記録し、開戦時から2007年8月末までに合計3,800人になったが、IEDによる米兵の死亡者は4割以上の1,620人であった〔兵站輸送での米兵被害は3分の2とされ、開戦後2007年初期までの累計では全死傷者のうちIEDでの被害は67%とされる。(軍事とロジスティックス)〕。IEDによる攻撃回数は2004年に5,607回、2005年に12,556回、2006年に30,515回、2007年は40,000回以上(見積)とされる。これら米兵への被害の多くが兵站業務を担う民間軍事会社のコンボイに随伴していた護衛の軽装甲車輌がゲリラの標的となるケースであった。 アメリカ合衆国本土では、2003年5月の戦闘終結宣言後もいつまでも続く自国兵士の損失と、戦地から伝えられるハンヴィー(HMMWV、M998四輪駆動軽汎用車)の脆弱さに対する不満のニュースによって、イラク政策に対する米政府への信頼が大きく傷付けられた。 イラク駐留部隊の将兵の多くが、必要な種類と量の装甲車輌が与えられていないと考える状況になり〔2004年10月18日には、サウスカロライナ州の州兵は、戦闘部隊の護衛が無く車輌にも必要な装甲防御が無いと云う理由で、燃料輸送任務の命令を拒否した〕〔江畑謙介著 『軍事とロジスティックス』 2008年3月31日第一刷発行 ISBN 978-4-8222-4646-4〕、国防総省でも早急な対応が迫られていたが、当初は、要求を満たした新たな装甲車輌の開発と量産が完了するまでは、既に駐留軍の保有する評判の落ちたハンヴィーの装甲化によって対応する計画であった。 ハンヴィーの装甲化〔AMゼネラル社製の装甲化されたハンヴィーはM1114ECVと呼ばれ、非装甲型のハンヴィーより1,426kg重くなり、価格も62,000米ドルから180,000米ドルへと高騰した。2004年には総計12,334輌が発注された。また、非装甲型のハンヴィーに追加装着する装甲キットが12,000セット発注された。(軍事とロジスティックス)〕によって小口径の機関銃弾程度が防げるようになるなど防護性能が向上したため、現地からの不満も一時は沈静化すると思われたが、戦車をも行動不能にするIEDに対して装甲化ハンヴィーは従来通り全く脆弱であったため死傷者数はむしろ増える傾向を示していた。米国防総省は結局、装甲化ハンヴィーだけではイラクの状況に対応できないことを受け入れて、既に始まっていた海兵隊のMRAP計画を拡大し、イラク向けに採用することにした〔輸送用トラックへの装甲は、2005年1月末までに中型トラックで1,638輌、大型トラックで522輌が運転台を護る装甲防御型に改造された(軍事とロジスティックス)〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「MRAP」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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