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マルチボックス(Multivox)は、1948年頃から1984年まで存在していたアメリカ合衆国の楽器メーカーである〔http://books.google.co.jp/books?id=pKCYz1WfZCQC&pg=PA375&dq=%22Sorkin+Music%22&as_brr=3〕。エース電子工業やヒルウッド/ファーストマンの米国OEM先として知られており、この他日本ハモンドのBig Jam〔http://haku.sakura.ne.jp/metro/tools1.html#se1〕 や、ローランドの一部製品 (DC-50 〔http://reviews.harmony-central.com/reviews/Effects/product/Roland/DC-50+Digital+Chorus/10/1〕〔http://www.otogura.com/effectlist.htm〕等) もOEM供給されていた形跡がある〔http://www.usedprice.com/dropdown.php?catname=pro_sound&mfrid=6073&query=&mfr_letter=M&closed=2〕〔http://www.tonetoys.com/de/NOS_Big-Jam_Effekt.html〕〔http://matrixsynth.blogspot.com/2008/05/multivox-cb-50.html〕。 == 概要 == 親会社のPeter Sorkin Music Company (以降 Sorkin Music〔http://books.google.co.jp/books?q=%22Sorkin+Music%22〕)は、1948年Peter Sorkinがニューヨークに設立した楽器卸売会社。複数のギターブランドを持ち(Belltone〔http://books.google.co.jp/books?pg=PA1001&dq=%22Sorkin+Music%22&q=&vq=&id=IrN-E3yn5mMC&as_brr=3〕, Marvel, Multivox/Premier〔http://books.google.co.jp/books?id=mJMeu640Y7UC&pg=PA513&dq=%22Sorkin+Music%22&as_brr=3〕, Royce, Strad-O-Lin〔http://www.may-studio-music-lessons.com/stradolin-electric-guitar1.html〕)、主に他社によるOEM製品を扱っていた。その製造/OEM供給元は、1950年代から1960年代初頭はアメリカ製(NYの自社工房製と、ジャージーシティのUnited Guitar Company製OEM)、1960年代にはイタリアや日本のOEM(部品OEM含む)、1970年代は日本製OEMだった。また1960年代にはホーナー米国独占代理店、1964年エース電子工業の米国代理店〔http://books.google.co.jp/books?id=09Z8a0lKyPcC&pg=PA44&dq=%22Sorkin+Music%22&as_brr=3〕、1972年ローランドの米国代理店となっており、各社の初期の米国進出に大きな役割を果たした。しかし1970年代半ばローランドの販売政策転換で大きなダメージを蒙り、1975年Sorkin Musicは廃業した。当時のオーナーSaltzmanは、元関連会社のMultivoxに活動の場を移し、日本メーカーのOEM供給による電子楽器/エフェクタ製品を市場に供給した。 Multivoxは、1948年頃創業間もないSorkin Musicの楽器アンプ製造子会社として設立された。初期には真空管式楽器アンプ(Model 50, Model 110, Premier 66, Premier 120)を製造し、"Organ-Tone Tremolo"を始め多数の特許を生み出した。その後トランジスタ式楽器アンプも手がけるようになり、1984年の会社終了までアンプ製造(もしくはOEM)を続けたと言われている〔http://books.google.co.jp/books?id=pKCYz1WfZCQC&pg=PA375&dq=%22Sorkin+Music%22&as_brr=3〕。 この他Multivoxは、Sorkin Musicの関連会社/ブランドとして、ギターを始め他の製品にも関わっている。ギター関連では、Sorkin Musicが50年代に買収した弦楽器工房 Strad-O-Lin の製品〔http://www.may-studio-music-lessons.com/stradolin-electric-guitar1.html〕〔http://www.mandolincafe.com/forum/group.php?groupid=53〕や、1956年頃登場したSorkin Musicの Premierブランドのギター〔http://www.vintaxe.com/catalogs_american_premier.htm#〕〔http://www.vintagesilvertones.com/forsale_multivox_premier1pu.html〕〔http://www.vintagesilvertones.com/forsale_multivox_premier_solidbody.html〕のメーカーとして知られているが、Premierに関しては60年代にイタリア製OEM、70年代に日本製OEMに移行した。〔http://books.google.co.jp/books?id=mJMeu640Y7UC&pg=PA513&dq=%22Sorkin+Music%22&as_brr=3〕 Premierブランドについて、ヴィンテージ・ギターのマニア達は「''1956年GibsonがNYのライバル会社Epiphoneを買収し、Gibsonの本拠地カラマズーに移転した時に、一緒について行かなかった一群のエンジニアが起源''」という説を語っているが〔http://vintaxe.com/boards/viewtopic.php?t=1124〕、その正確な出典は不明である。 また1960年代~1970年代前半のある時期には、Sokin Musicが米国代理店をしていたエース電子工業からリズムマシンRhythm Aceシリーズ(FR-3S/FR-4/FR-6M/FR-7M/FR-8L等)のOEM供給を受け、Multivoxブランドで発売した〔http://www.keyboardmuseum.com/ar/m/multi/multi.html〕。その後1972年ローランド設立に伴いSorkin Musicがその米国代理店になってから、1975年Sorkin Musicが廃業するまでの間、MultivoxへのOEM供給状況は不明となっている。 いずれにせよ1976年前後、新たなOEM供給元として当時創立間もない日本のヒルウッドが選ばれた〔http://web.archive.org/web/20050221115521/http://www.synrise.de/docs/types/m/multivox.htm〕。当初はSaltzman指定機種の生産も一部求められたが、すぐにヒルウッドのオリジナル製品がMultivoxブランドとして登場するようになった(MX-20/MX-28/MX-30(ピアノ), MX-57 Electro-Snare, MX-150 BaskyII, MX-S100 Sequencer、FIRSTMAN SQ-01等)。 中でも1978年発売の複合キーボード MX-3000 は、ベース(ペダル対応)/リード/ポリフォニック(ベロシティ対応)の3つのシンセをバランス良くコンパクトにまとめており、同年発売のARP Quadraと並ぶ名機として現在も高い評価を得ている〔http://matrixsynth.blogspot.com/search?q=%22MX-3000%22〕。ドイツのSYNRISEデータベース〔SYNRISEデータベース 〕では「KORG Trident(1980年発売)より優れた機能をコンパクトにまとめたバランスの良い製品」という評価を下している。 また回転スピーカエフェクトを最初に電子化した製品の一つ「LD-2 Little David」〔http://theatreorgans.com/hammond/faq/clones.html〕もMultivoxの名機と呼べるだろう〔http://reviews.harmony-central.com/reviews/Effects/product/Multivox/LD-2+Little+David/10/1〕。この製品はヒルウッドが持つ特許に基づいて開発した「FR-2 フルロータ」〔http://brochures.yokochou.com/keyboard-and-effector/hillwood/1977/index.html〕〔http://www.denhaku.com/77/fr2.jpg〕を、特殊な小型木製ケースに収めた製品である。レスリーをそのままミニチュアにしたユニークな外観〔http://www.effectsdatabase.com/model/multivox/ld2〕と、リアルな音響効果を持ち、「この小さな箱の中で超小型回転スピーカが回っている?」という妙な錯覚を起こさせるギミックたっぷりの製品だった。 なおMultivoxのシンセ製品MX-75は、ヨーロッパのPulserブランドでも販売されたが(ドイツではSOLTONが流通)、このブランドとMultivox/Sorkin Musicの関係は不明である。 1970年代末には、日本ハモンドが発売したコンパクトエフェクター・シリーズ〔Big Jam 〕が、海外でMultivoxブランドで発売されていた事が確認されており〔http://acapella.harmony-central.com/archive/index.php/t-1437163.html〕〔http://www.tonetoys.com/de/NOS_Big-Jam_Effekt.html〕、SAKATAブランド開始前の日本ハモンド/阪田商会(もしくは第3のメーカー)がOEM供給を行った可能性がある。なおBig Jamは、同時期にローランドが発売したBOSSのコンパクトエフェクター・シリーズの対抗製品だったが、2~3年で市場から消えたという。 しかし1981年、国内楽器業界の内紛で ヒルウッド/ファーストマンが出資者経由の圧力を受けて生産設備を失い、さらに債務放棄の条件として楽器製造に関与できなくなるという事件が発生し、同社からのOEM供給は完全にストップした。その後Multivoxは、ホーナー製品の輸入やアンプ製造を続けたが、1984年に会社を閉じた。 約20年の長きにわたり日本の3つの電子楽器メーカー(エース電子工業、ローランド、ヒルウッド/ファーストマン)と深く関わったユダヤ人楽器卸売商Saltzmanは、「ローランドの梯はユダヤの商人気質を持っており、ヒルウッドの森岡はユダヤの芸術家気質を持っている」という言葉を残している。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「マルチボックス (楽器メーカー)」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Multivox 」があります。 スポンサード リンク
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