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経済学において、N-1問題(えぬまいなすいちもんだい、)とは、国際経済の政策手段と政策目標の整合性に関する問題である。 ==概要== 例えば、世界にNヵ国の国が存在するとする。このとき、Nヵ国がそれぞれ独自の通貨を持っているとすると、この世界にはN種類の通貨が存在する。すると、この世界にはN-1個の独立的な為替レートおよび国際収支が存在する。〔Maria Cristina Marcuzzo, Lawrence H. Officer, Annalisa Rosselli. 2002. Monetary Standards and Exchange Rates -Routledge History Explanation-. Routledge. p.38.〕〔河合正弘(1994)「国際通貨システム:n-1問題,国際通貨,クレディビリティ- 」『金融研究』日本銀行金融研究所、第8巻第1号、39ページ。〕為替レートに関しては、基本的に中心国通貨(例えばアメリカドル)との対比で決定されるため、この世界では独立的な為替レートはN-1個しかない。独立的でない残りの為替レートはクロスレートとして算出される。また、国際収支に関しては、定義上、全世界の国際収支(資本収支・経常収支)の黒字・赤字を合計するとゼロになるため、N-1ヵ国の国際収支が決定されれば、おのずとN番目の国の国際収支は決定される。〔Giancarlo Gandolfo. 1995. "International Economics Two. " Springer Science & Business Media. p.227.〕〔Alan Professor Winters. 2002. International Economics . Routledge. p.397.〕通常、自国の為替レートが減価すると、ほかの条件が変わらないならば、自国の国際収支は改善することになる。〔輸出国通貨建てで貿易をしているとすると、自国の輸出品の、貿易相手国通貨建て価格が下落するため、貿易相手国は自国の輸出品を買いやすくなる。すると、自国の輸出が増え、自国の経常収支が改善する。〕しかし、この世界にはNヵ国が存在するのに対し、独立的な為替レートおよび国際収支はN-1個しかないため、すべての国が国際収支の目標を達成することはできない。〔すべての国が国際収支の目標(たとえば経常収支の黒字化)を達成しようとすれば、達成できない国が発生するか、もしくは通貨安競争に陥る可能性すらある。〔河合正弘(1994)「国際通貨システム:n-1問題,国際通貨,クレディビリティ- 」『金融研究』日本銀行金融研究所、第8巻第1号、42ページ。〕このような国際的な政策手段と政策目標の整合性の問題をN-1問題という。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「N-1問題」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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