|
N5200(エヌゴーニーマルマル)は1981年に日本電気 (NEC) が発売を開始したパソコンのシリーズ名である。ビジネスパソコンやオフコン・ワークステーションに分類されることもある。またN5200シリーズの発展形として、N5300シリーズも存在した。 == 概要 == 通常はスタンドアロン利用のためのアプリケーションソフトも用意され、ローカルのハードディスクをデータストアとして利用できる。 通信系のオプションを装着することによりACOS系メインフレームの端末として機能したほか、N6300/N6500/S3050/S3100Sモデル系のオフィスプロセッサのターミナルコントローラとしても機能し、N5200を介して電子組版システムを実現したN5170もある。 スタンドアロン利用の際に使用されるOSはPTOSというものである(オフィスプロセッサ(N6300は除く)と連携して動作している時にはNTOSもしくは、専用ワークステーション版のITOSにて稼動)。PTOSについては、後にPC-PTOSというPC-9800シリーズのハードウェア上で動くものも発売された。また、N5200上で動作するMS-DOSやCP/M-86も発売されている。但し、N5200上で利用可能な全てのハードウェア資源は使えなかった。使用されるフロッピーディスクなどのメディアに於いては大型コンピュータのACOSシリーズなどと互換性を持っていた。 派生系としてはワードプロセッサに特化した文豪シリーズのほか、POSシステム向けキャッシュレジスター型端末があった。後者は、N5200ベースのハードウェアをベースに、キャッシュレジスター型のキーボードやレシート・ジャーナルプリンター、CRTディスプレイまたはキャラクタディスプレイ(レジ係および顧客用)を備えた端末に、PTOSとPTOSベースで開発されたPOSインターフェイスおよびPOS用ソフトウェアを搭載していた。N5200シリーズ向けの周辺装置(一部制限あり)が接続可能だったほか、N5200がサポートしている規格でのデータ通信に対応、POSソフトはパッケージソフトウエアの他、規模導入店向けにはカスタマイズによる個別対応が可能だったことから、各種専門店(オートバックスセブン他多数)、食料品店、家電量販店(ヨドバシカメラ他多数)、コンビニエンスストア(大手ではローソンと合併前のサンクスが採用)、飲食店(すかいらーくなど多数)など、幅広い業種の多数の企業で使用された。PTOSの2000年問題もあり、すでにほとんどのPOSシステムがMicrosoft Windowsをベースとした次世代機に移行している。NECはWindows化後もPOS分野で一定のシェアを保っているが、ほとんどがWindowsベースのPOS端末が主流となり、それまでPOSシステム端末に参入していないハードウエアメーカーが多数参入した上、周辺機器についてはOLEPOSやOpenPOS規格が提唱され、周辺機器の規格統一が進んだため、他メーカーPOS端末への乗り換え障壁が格段に少なくなり、他メーカー機種に乗り換えられる例も発生している。 元々、N5200はPC-9800シリーズと非常に似通ったハードウェアアーキテクチャを採用していた。CPUもx86系、メモリの割り当てやIOチップもほぼ同じ(ポートもほぼ同じ)。VRAM部分はどちらかというとハイレゾ系のPC-98と似通っていた。 VZ editorの移植はPC-VANのN5200 SIGのサブオペをしていた小川清が行った。その際、PC-9801用の一つの命令をコメントしたところ画面が高速になったとのこと。〔Cプログラマの一日 http://bookmeter.com/b/org8c0f015b84 〕 当時、NECはパーソナルユースとビジネスユースにて異なる事業展開を行っていた。この為、N5200シリーズが大型コンピューター系の事業部、PC-9800シリーズがパーソナルコンピュータ系の事業部で事業展開を行っていた。 しかし32bit化と時を前後して汎用性に乏しいN5200は市場からフェードアウトしていった。元々NECは過剰なダウンサイジングは行き詰ると判断していたこともあり、あくまでACOSのような大型コンピューターが主流に残ると考えていたが、それにしてもMicrosoft製OSをベースとし、広くサードパーティが展開し時流に乗りやすいPC-9800の方を主役とせざるを得なかった。N5200はACOS連動の限定的な環境として細々とのみ存続し、PC-9800シリーズがPC-9821へと発展したころと同時期に開発が終了した。 なお、N5200(初代の機種を除く)の筐体前面部には、PC-9800シリーズには装備されていない、起動するOSをFDD、N5200に接続されたHDD、前述のオフィスプロセッサ(REMOTE)のいずれから取得するかを切り替える専用のスイッチが装備されていた。 ビジネスデスクトップアプリケーションソフトとしては、表計算ソフト『LANPLAN』(Microsoft Multiplanのもじり)、ワープロソフト『LANWORD』、データベースソフト『LANFILE』、グラフ作成ソフト『LANGRAPH』などが用意された。 ライバルは富士通のK-10およびFACOM9450/FM-Gシリーズであった。こちらの陣営もLANシリーズ対抗製品としてEPOCシリーズというビジネスデスクトップアプリケーションを発売していた。また、日立製作所の2020やIBMのマルチステーション5550もライバル機種の一つであった。 なお、前述の通りPTOSは2000年問題で不都合が出ることが判明しているが、1999年の時点ですでに「過去の規格」とされていたため、対処は行われていない。 補足: このOS取得先設定スイッチの設定によりオフィスプロセッサ(N6300は除く)から起動OSを取得(ダウンロード)した場合には、N5200はオフィスプロセッサをサーバとするワークステーションとして動作し、アプリケーションソフトウェアそのものはN5200側で実行された。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「N5200」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|