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NF-κB(エヌエフ・カッパー・ビー、核内因子κB、nuclear factor-kappa B)は転写因子として働くタンパク質複合体である。NF-κBは1986年にノーベル生理学医学賞受賞者であるデビッド・ボルティモアらにより発見された。免疫グロブリンκ鎖遺伝子のエンハンサー領域に結合するタンパク質として発見され、当初はB細胞に特異的なものと考えられていたが、後に動物のほとんど全ての細胞に発現していることが明らかとなった。高等生物に限らずショウジョウバエやウニなどの無脊椎動物の細胞においてもNF-κBが発現している。 NF-κBはストレスやサイトカイン、紫外線等の刺激により活性化される〔Gilmore TD(1999)"The Rel/NF-kappaB signal transduction pathway: introduction." ''Oncogene'' 18,6842-4. PMID 10602459〕。NF-κBは免疫反応において中心的役割を果たす転写因子の一つであり、急性および慢性炎症反応や細胞増殖、アポトーシスなどの数多くの生理現象に関与している。NF-κB活性制御の不良はクローン病や関節リウマチなどの炎症性疾患をはじめとし、癌や敗血症性ショックなどの原因となり、特に悪性腫瘍では多くの場合NF-κBの恒常的活性化が認められる。さらにNF-κBはサイトメガロウイルス (CMV) やヒト免疫不全ウイルス (HIV) の増殖にも関与している。 == NF-κBファミリー == 哺乳類においてNF-κBファミリー(Relファミリー)に属する分子は下記に示す5種類が知られている。これらの分子がホモあるいはヘテロ二量体を形成したものが転写因子として機能する。NF-κBファミリーに属する分はアミノ基側末端に約300アミノ酸残基から成るRelホモロジードメイン (RHD) を有し、この構造がDNAとの結合や核内移行、二量体の形成に寄与している。 NF-κBは構造的にクラスI(上)とクラスII(下)の2つに分類される。どちらもアミノ基側にDNA結合ドメイン (DBD) を有し、二量体の形成やIκB(後述)との結合に関与している。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「NF-κB」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 NF-κB 」があります。 スポンサード リンク
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