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国立ハリケーンセンター (こくりつハリケーンセンター、)は、フロリダ州マイアミのフロリダ国際大学敷地内にあり、北東太平洋および北大西洋で発生するハリケーンに関連する気象現象の追跡および予測業務を任務とするアメリカ国立気象局の一部門である。TAFB(熱帯解析・予報支局)がこの海域を対象とする予報を日常的に発表している。 大西洋および太平洋のハリケーンシーズンの間は、ハリケーン専門家班 (Hurricane Specialists Unit) が北東太平洋および北大西洋海域の熱帯気象に関する概況を逐次発表する。36時間以内にトロピカルストームやハリケーンが発生するような状況が予測された場合、NHCは適宜メディアやNOAAウェザーラジオを通じて、注意勧告や警報を発する。NHCはアメリカ合衆国の一機関であるが、世界気象機関はこれを北大西洋と東太平洋におけるRSMC(地域特別気象中枢)に指定している。このように、NHCはこの海域で発生する熱帯低気圧に関する情報を米国内外に発信する情報センターとしての役割も担っている。万一、センターの電力供給に支障が生じたり、何らかの理由で任務遂行が不可能な状況に陥ったりした場合は、中部太平洋ハリケーンセンターが北東太平洋、水文気象予測センターが北大西洋における熱帯気象の概況把握・予報発表等の業務をそれぞれバックアップする体制をとっている。 == 沿革 == 国立ハリケーンセンターは1898年12月19日にウィリアム・マッキンリー大統領(当時)がハリケーン警報網を構築するために気象局 (Weather Bureau、現NWS) の設置を宣言したことに始まる。通信技術と予報技術が発達するにつれて、ハリケーンの警報発表に係る業務は最終的に気象局マイアミ測候所に集約された。 1953年の大西洋ハリケーンシーズンより、米国気象局はトロピカルストーム級に達したハリケーンに人の名前を命名するようになった。これは(1950年~1952年のハリケーンシーズンに係る)3カ年計画を経て、ICAOスペリングアルファベットに置き換えられた。当初、これらのハリケーンには女性の名前のみが使用されたが、男女同権に反するとした抗議等により、1979年のハリケーンシーズンより女性名に加えて男性名も使用されるようになった。世界気象機関は現在、これらの年間リストを作成し、管理している。ハリケーン名に用いられる名前は、致命的な被害を及ぼしたもの等の著名なものを除いて、6年間で一巡する。 マイアミ測候所は1967年に国立ハリケーンセンターとして設計され、周辺で発生する大西洋のハリケーンに係る予報業務を委託された。他にはニューオーリンズとボストンの測候所が1980年代に至るまでハリケーンの警報業務を扱った。1984年、NHCは気象局の測候所から分離・独立し、マイアミ担当の気象学者はハリケーンセンター局長の地位から外れることとなった。1988年までに、NHCはそれまでサンフランシスコの東部太平洋ハリケーンセンター(のちに廃止)が担当していた東太平洋のハリケーンに係る予報業務も担うようになった。 1992年、ハリケーン・アンドリューは当時NHCの施設が入っていたゲイブルズ・ワン・センターの屋上に設置されていたWSR-57型気象レーダーと風力計を吹き飛ばした。レーダーはNEXRADシステムのWSR-88D型に置き換えられた。1995年、NHCはフロリダ国際大学のキャンパス敷地内に新たに建設されたハリケーン対応施設へと移転した。この新施設は 210 km/h (130 mph) の暴風にも耐えられるように設計されている。〔Ametsoc.org 〕2012年3月現在、国立ハリケーンセンターの局長はビル・リードである。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「国立ハリケーンセンター」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 National Hurricane Center 」があります。 スポンサード リンク
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