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塩化ニッケル(II)(えんかニッケル(II)、nickel(II) chloride)は塩素とニッケルのイオン性化合物(塩)である。無水物の組成式は NiCl2 で、融点の高い常磁性を持つ黄色の固体である。ニッケル化合物としては最も広く使われており、ニッケルめっきなどに用いられる。1個または6個の水分子が結合した水和物が知られる。 常温では塩化ニッケル(II) 六水和物は緑色の固体である。潮解性があり、水やアルコールにも容易に溶ける。無水塩の比重は1.9、六水和物は3.55である。他のニッケル塩と同じく発癌性物質である。 ==合成と製造== 同属の元素である銅、塩化銅の製法に類似した方法で生成できる。すなわち金属ニッケルを酸素の存在下で塩酸に溶かすか、酸化ニッケル(II) または炭酸ニッケル(II) を塩酸に溶かすと得られる。最も大規模に行われる塩化ニッケル(II) の製造法の1つは、ニッケル鉱石の製錬で生じたくずを塩酸で溶かして得るものである。 しかしながら塩化ニッケル(II) は廉価であり、劣化もしないため実験室で合成が行われることはまず無い。水和物を塩化チオニルの存在下、または塩化水素の気流中で加熱すると無水物が得られる。単に加熱するだけでは無水物にならない。 脱水が起こったことは緑から黄への色の変化で確認できる〔Pray, A. P. (1990). “Anhydrous Metal Chlorides”. ''Inorg. Synth.'' 28: 321–322. 水和物からの無水 LiCl, CuCl2, ZnCl2, CdCl2, ThCl4, CrCl3, FeCl3, CoCl2, NiCl2 の調製法が記載されている。〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「塩化ニッケル(II)」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Nickel(II) chloride 」があります。 スポンサード リンク
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