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P-500 ( リダイレクト:P-500 (ミサイル) ) : ウィキペディア日本語版
P-500 (ミサイル)[ぴー500]

P-500「バザーリト」()〔「バザーリト」は玄武岩の意。〕は、ソビエト連邦で開発された対艦ミサイル。また、発展型のP-1000「ヴルカーン」()〔「ヴルカーン」は火山の意。〕についても本項で扱う。
GRAUインデックスとしては、P-500は初期型が4K77〔、後期型が4K80、P-1000は3M70とされた〔。また西側諸国においては、アメリカ国防総省(DoD)識別番号としてはSS-N-12NATOコードネームとしては「サンドボックス」〔「サンドボックス」は砂場の意味だが、セキュリティモデルに見られるように「管理された場所」「安全な試験場」を意味するスラングでもある。〕と呼ばれた。
== P-500 ==

1963年2月、第52設計局〔現。〕は、同設計局が開発した長射程対艦ミサイルであるP-6/35「プログレス」(P-6が潜水艦発射型、P-35が水上艦発射型)の後継となるミサイルの開発に着手し、同年12月にはさっそく原案が提出された。1969年からは白海沿岸のネノクサ実験所で発射試験が開始され〔〕、1975年までに数十回に渡って試験が重ねられて、同年、海軍への引渡しが開始された。
基本的な部分はP-6が踏襲されたが、飛翔速度・射程距離・弾頭威力の向上が図られている。飛行パターンも同様であるが、低空飛行時の距離が伸び、また高度もさらに低くなった〔。ミサイルは通常、8発で「狼群」を構成しており、発射時にリーダー弾が割り振られる。リーダー弾は比較的高い高度(高度5,000メートル以下)を飛翔してパッシブ・センサで索敵し、低高度(高度40-50メートル)を飛翔する他のミサイルに対しデータリンクで目標情報を伝達することになっており、これが撃墜された場合は順次に別のミサイルが交代する。空母機動部隊などを攻撃する際には、リーダー弾により、核搭載弾がもっとも大きな目標に、それ以外のミサイルがその護衛艦に指向されることになっていた。艦上には、衛星と艦との情報交換を含む「コルヴェット」情報処理装置および「アルゴン」攻撃指揮装置が配されており、攻撃計画の策定や誘導情報の入力に用いられた。またその長射程を活かすため、Tu-95RTs偵察機やレーダー基地をセンサーとしたC4ISRシステムである「ウスペク」が配備されており、後には偵察衛星を利用した17K114「レゲンダ」も併用された〔〕。
初の搭載例は675型潜水艦(エコー2型)であり、1976年から1984年にかけて、同級の内9隻が、その運用に対応した675MK型として改装された。ただしこの時点では、発射時には浮上しなければならなかったため、戦術的な価値は高くなかった〔。その後、1143型重航空巡洋艦(キエフ級)1164型ミサイル巡洋艦(スラヴァ級)にも配備され、水上艦からも運用されるようになった〔。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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英語版ウィキペディアに対照対訳語「 P-500 Bazalt 」があります。




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