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P糖タンパク質(Pとうタンパクしつ、)は、分子量約18万のリン酸化タンパク質であり、細胞膜上に存在して細胞毒性を有する化合物などの細胞外排出を行う。P-gpはABC輸送体のMDR/TAPサブファミリーに属する分子であり、腸や肺、腎臓の近位尿細管、血液脳関門の毛細血管内皮細胞等に発現している。また、P-gpによる薬物の排出は薬剤耐性の形成に寄与している。P-gpはABCB1(ATP-binding Cassette Sub-family B Member 1)、あるいはMDR1(Multiple drug resistance 1)とも呼ばれる。細胞表面抗原の分類に用いられるCD分類ではP-gpはCD243と番号が振られている。なお、名称頭文字の"P"はその薬剤透過性を変化させる働きから"Permeability(透過性)"に基づいてつけられた〔Juliano RL, Ling V."A surface glycoprotein modulating drug permeability in Chinese hamster ovary cell mutants" Biochim Biophys Acta. 1976 Nov 11;455(1):152-62 PMID 990323〕。 == 概要 == 1976年に、多剤耐性関与たんぱく質としてがん細胞から分離された。その後、消化管上皮細胞の管腔側膜に局在することが確認され、血液脳関門、血液精巣関門、血液胎盤関門にも存在したことから、生体異物への暴露への防御機能を担う重要なたんぱく質との認識がなされるようになった。ヒトP糖タンパク質の遺伝子''MDR1''/''ABCB1''は、1986年に単離され〔Chen, C.-j., Chin, J. E., Ueda, K., Clark, D. P., Pastan, I., Gottesman, M. M., and Roninson, I. B. Internal dupilication and homology with bacterial transport proteins in the mdr1 (P-glycoprotein) gene from multidrug-resistance human cells. Cell, 47: 381-389 (1986)〕、様々な構造の抗癌剤を細胞外へ排出することが明らかになった〔Ueda, K., Cardarelli, C., Gottesman, M. M., and Pastan, I. Expression of a full-length cDNA for the human "MDR1" gene confers resistance to colchicine, doxorubicin, and vinblastine. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 84: 3004-3008 (1987)〕。その後薬物により誘導されるストレスたんぱく質であることが、抗がん剤やリファンピシンやアスピリンなどに誘導されることから、明らかになった。〔Kohji Takara,Masayuki Tsujimotoa,Noriaki Ohnishi,Teruyoshi Yokoyama 『Digoxin Up-Regulates MDR1 in Human Colon Carcinoma Caco-2 Cells 』 Biochemical and Biophysical Research Communications Volume 292, Issue 1, 22 March 2002, P.190〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「P糖タンパク質」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 P-glycoprotein 」があります。 スポンサード リンク
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