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CLIE(クリエ)は、ソニーが開発・製造・販売していた、Palm OSを搭載するPDA。CLIEとは、"Communication Linkage for Information & Entertainment"の頭文字をとった造語である。2005年7月出荷終了。 == 概要 == オリジナルのPalm OSの機能に頼らず、独自の拡張によっていち早く高解像度(ハイレゾリューション、High resolution)のカラー液晶を搭載し、デジタルカメラを搭載するなどした端末を発売し、画像や音楽プレーヤーとして使えるマルチメディア路線を選んで成功を収めた。 同社ではCLIEを「パーソナル・デジタル・アシスタンツ」ではなく、「パーソナル・エンターテインメント・オーガナイザー」としており、ビジネス用途としてよりもむしろエンターテインメントツールとして、これまでPDAと縁の無かった層の人々によって使われることを想定している機種が多かった。 元々PDAは使える電力に限りがあり、高速なCPUを積んで動画処理をおこなうには向いていない。また、Palmというデバイスは電池交換あるいは充電一回で長期間使えることに重点が置かれていて、マルチメディア志向ではなかった。だがソニーはCLIEに比較的高速のCPUを採用した。電池寿命は同社がそれまでに培ってきた省電力技術を凝らして対処を計っていたと推測される。また、PEG-N700C以降は日本語表示がきれいな320×320ドットのハイレゾリューション(以下ハイレゾ)液晶を搭載、他のPalmメーカーを日本市場から撤退させた。 また、外部メモリとしては、同社のメモリースティックを採用、自社製品とのシームレスな連携を謳っていた(独自の仕様変更のため、MacとのSyncにはサードパーティによるツールが別途必要となった)。中にはCFメモリーカードを外部メモリとして利用できる機種もある。 オーソドックスなPalmスタイルのモデルには固執せず、本体下部の上下スクロールボタンとソニーお得意のジョグダイヤルを搭載した上で機能を分けてみたり、TJ25などの後期モデルではジョグダイヤル自体を上下スクロールボタンの位置に埋め込み上下左右の入力を模索した。PEG-NX80Vなど、本体を開くとキーボードが現れるモデルも発売された。グラフィティ領域が固定的ではなく、画面の一部に表示される「バーチャルグラフィティ」とも呼ばれる形式のモデルもあり、さらには漢字・かなを直接入力できるデクマ手書き入力ソフトウェアを搭載している機種もあった。 日本向け端末には日本語入力システムとして「ATOK Pocket」を採用している。 PEG-N700Cなどの音楽再生に重点を置いたモデルには、ウォークマンのようなリモコンつきイヤフォンが標準装備されていた。 PEG-UX50などの横長のワイド液晶モデルに至っては、いわゆる電子辞書のようなスタイルで、他の一般的なPalmデバイスとは異なる外見をしていた。 VFS(Virtual File System)、画面の縦横切り替え方式など、ソニーが提唱した方式をPalm OSに採用された事などがあったが、各Palm OS採用メーカーにおけるハードウェア的追加部分の差異や、ソフトウェアの共有がなされていなかった事などからPalm OSとしての共通化はなされなかった。 Palm OSを含めたPDA全体の進化がスマートフォンに志向したことで、トレンドから外れたCLIEの高機能化路線は海外の個人ユーザーに受け入れられなくなり、2004年6月には同年秋以降の海外での新機種投入の終了を発表した。その後も日本国内では動画や写真の閲覧に重点を置いたPEG-VZ90を発売したが、2005年2月には、同年7月をもって全ての機種の生産を終了することを発表、これによりPalmメーカーは日本市場から完全撤退となった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「CLIE」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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