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S1P ( リダイレクト:スフィンゴシン-1-リン酸 ) : ウィキペディア日本語版 | スフィンゴシン-1-リン酸[すふぃんごしん1りんさん]
スフィンゴシン-1-リン酸(英:Sphingosine-1-phosphate、S1P)とは生体膜を構成するスフィンゴ脂質の代謝産物であり、リゾホスファチジン酸(LPA)と並ぶリゾリン脂質の一種である。これらは酵素により膜から切り出されて遊離した後に細胞膜上に発現しているGタンパク質共役受容体に結合することによって細胞遊走などを引き起こす生理活性物質でもある。S1Pはスフィンゴシンキナーゼ(SphK)と呼ばれる酵素によって産生され、S1Pの濃度は炎症状態(気管支喘息、自己免疫疾患など)において上昇する。化学式C18H38NO5P、分子量379.47。 == 産生機構 == スフィンゴシンに脂肪酸鎖が結合して糖脂質となったものがセラミドであり、スフィンゴシンはセラミドからセラミダーゼと呼ばれる酵素によって切り出されることにより産生される。S1PはスフィンゴシンがSphKによってリン酸化を受けることにより産生されることが知られている。なお、セラミドはセラミドキナーゼ(CerK)の働きによってセラミド-1-リン酸(C1P)となる。SphKにはSphK1とSphK2の2種類が存在しており〔Spiegel S and Milstien S.(2003)"Sphingosine-1-phosphate: an enigmatic signalling lipid."''Nat.Rev.Mol.Cell.Biol.'' 4,397-407. PMID 12728273〕、細胞に対してインターロイキン-1β(IL-1β)や血小板由来成長因子(PDGF)、血管内皮増殖因子(VEGF)、TNF-αなどの様々な刺激が加わった場合にはSphKが活性化し、S1Pの産生が促進される。S1Pは特に血小板やマクロファージ、赤血球などで多く産生される。循環血液中S1Pの大部分は血中タンパク質であるHDLなどのリポタンパク質やアルブミンと結合しており、その機能が制御されている。 また、S1PはS1Pホスファターゼ(SPP)-1あるいはSPP-2による脱リン酸化反応やS1Pリアーゼを介した反応によりその活性を失い、これらの酵素は主に小胞体中に存在している。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「スフィンゴシン-1-リン酸」の詳細全文を読む
英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Sphingosine-1-phosphate 」があります。
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