|
RIM-161スタンダード・ミサイル3(RIM-161 Standard Missile 3; SM-3)は、短距離から中距離の弾道ミサイル迎撃を目的とする艦船発射型弾道弾迎撃ミサイル。イージス弾道ミサイル防衛システムの一部を構成する。SM-3は計画を主導するアメリカ海軍および研究開発に参加している日本の海上自衛隊に配備されている。 ==開発== SM-3はRIM-156スタンダード・ミサイル2(SM-2)ブロックIVを基に開発された。第一段、第二段、誘導制御システム、ミッドコース/大気中でのミサイル誘導システムはこのミサイルと同じものを用いている。飛行範囲が大気圏外に達するため、デュアル・スラスト・モーターを推進機とする第三段も追加された。 初めての実射試験は1999年9月に行われた。2001年1月の三回目のテストではキネティック弾頭の切り離しまで確認し、2002年1月にはミニットマンを改造した標的ミサイル弾頭への衝突に成功した〔。 2006年6月に初めて発射テストが行われたブロックIAは2010年時点での配備済みSM-3の大半を占めている。短距離(SRBM)および準中距離弾道ミサイル(MRBM)を撃墜可能だが、中距離弾道ミサイル(IRBM)については限定的な対処能力、大陸間弾道ミサイル(ICBM)は長距離探索・追跡が可能だが撃墜はできない。〔 中距離弾道ミサイルに対する対処能力を得るブロックIBは2009年7月13日に最終設計審査をパスし、アメリカ海軍で配備が始まっている。 ブロックIIAでは限定的な大陸間弾道ミサイルへの対処能力が付加される。ブロックIBまでは最低段のみ21インチ、残りのブースター径は13.5インチだったが、ブロックIIAでは全ての段が21インチに拡大された。これにより燃料搭載量を増やすことができ、最終到達速度が45から60%増加し、キネティック弾頭が大型化された〔。日本はブロックIIAから開発に参加しており、ノーズコーン、第二段および第三弾の誘導・制御システム、第三段を担当している。平成23年時点では日本側が10から12億ドル、アメリカ側が11から15億ドルを負担している。日本政府はブロックIIAについて、武器輸出三原則の例外として第三国への輸出を認める方針を固めており、2011年6月にアメリカ側に伝達される予定である〔政府、米の第三国輸出容認を伝達へ 日米開発迎撃ミサイル 、共同通信、2011年5月25日〕〔Japan Considers Export of SM-3 Block IIA Missiles , Defense News, 27 May 2011〕。ブロックIIAのデリバリーは2018年を予定している。 SM-3ブロックIIBは2006年から検討が進められてきた。予算の承認にあたりアメリカ合衆国下院軍事委員会は日本の参加を条件に加えており、日本政府ではブロックIIAの開発遅れや開発費の高騰を懸念して留保していたが、2008年に計画の承認を決めた〔日米共同開発の迎撃ミサイル、多弾頭の導入を日本が了承、読売新聞、2008年5月3日〕。MIRV対応型であるとの報道もあったが続報はない。2011年4月にボーイング他数社はブロックIIBのコンセプト設計契約をアメリカミサイル防衛局から受注した。数社の中から本格的開発およびフライトテストを担当する1社が2013年までに決定される。配備は2020年を予定している〔SM-3ブロックIIBのコンセプト設計契約を米ミサイル防衛庁から受注 、ボーイング〕。 地上配備型のSM-3も検討されている。これはAegis Ashore Siteと呼ばれ、アメリカが主導するヨーロッパにおけるミサイル防衛計画において配備が計画されているもので、1つの施設は地上型SPY-1レーダーと24基のSM-3から構成される。SM-3の発射装置は艦載型VLSをもとに移動可能なものを開発する〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「RIM-161スタンダード・ミサイル3」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 RIM-161 Standard Missile 3 」があります。 スポンサード リンク
|