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トライトン(USS ''Triton'', SSRN/SSN-586)はアメリカ海軍の原子力潜水艦である。同型艦はない。同名の米軍艦(USS ''Triton'')としては4代目。 艦名の“''Triton''”とはギリシャ神話の海神、トリートーンの英語表記/読みである。 就役(1959年11月10日)から1961年2月28日までの約1年4ヶ月弱はレーダー哨戒潜水艦(SSRN)、1961年3月1日からは、1969年5月3日の予備役編入を経て、1986年4月30日の除籍まで約25年間は攻撃型潜水艦(SSN)に分類されていた。 == 概要 == 第二次世界大戦末期、日本の特攻攻撃に悩まされた米海軍は、レーダー哨戒潜水艦(radar picket submarine)という艦種を整備することを決定した。この艦種は、強力な対空捜索レーダーを搭載し、空母機動部隊に先行して対空警戒を行うことを任務とした。すなわち、水上艦では進出困難な海域まで単独で先行し、航空機による襲撃を探知すると、空母機動部隊に警報を発すると同時に潜航して難を逃れ、あるいは、空母機動部隊から出撃した味方艦載機部隊を誘導するのである〔この艦種には、第二次世界大戦型の艦隊潜水艦ガトー級改装艦が2隻、戦後新造の通常動力型潜水艦「セイルフィッシュ級」2隻、そして本艦の計5隻が就いた。しかしながら、水上艦用のレーダーの長足の進歩と空母艦載型の早期警戒機「E-1」の導入(1954年)により、存在価値がなくなってしまった。〕 この任務の特性上、トライトンには、強力な対空レーダーとCIC機器が装備された。また、空母機動部隊に随伴する必要があることから、原潜としては他に例を見ない異例の水上高速力が要求され、原子炉2基を搭載するという設計が採られた。この結果、当時としては空前の大型艦となり、特にオハイオ級の就役まで、本艦の全長をしのぐ潜水艦は米海軍にはなかった。しかしながら、その運用構想は時宜を得ることなく、1961年3月1日には攻撃型潜水艦に種別を変更されることとなったものの、その巨体と時代遅れの水中性能にはもはや生かすべき道がなかった。一時は、核戦争時の最高首脳部の移動指揮所に改装する案も検討されたが実現を見ることはなく、1969年5月3日の予備役編入をもって、約9年6ヶ月の短い現役生活を終えた。作戦艦としては最後まで適所を得られずに終わったのである。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「トライトン (原子力潜水艦)」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 USS Triton (SSRN-586) 」があります。 スポンサード リンク
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