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systemdはシステム管理デーモン、ライブラリおよびユーティリティの一式であり、管理および設定における中心的プラットフォームとしてLinuxコンピュータオペレーティングシステム用に設計されている。著者によるとsystemdはオペレーティングシステムの「基本的な積木」であると評され〔、UNIX System VやBSDから継承された(Linuxスタートアッププロセス中のユーザー空間で最初に実行されるプロセスである)Linuxのinitシステムを置き換えることを第一の目標としている。''systemd''という名前はファイル名の最後尾に''d''という文字を付けることでデーモンを区別しやすくするというUNIXの慣習を受け継いでいる〔。またこの名称は言葉遊びの側面もあり、フランスで最近よく言われている「」という言葉に因んでいる。「システムD」とは、状況に迅速に適応し問題を即興で解決する個人の能力を意味する〔。 systemdはLinux用に設計され、Linux API専用にプログラミングされている。systemdはGNU Lesser General Public License (LGPL) version 2.1以降という条件でフリーなオープンソースソフトウェアとして公表されている〔。 systemdの設計はフリーソフトウェアコミュニティにおける重要な論争の元となった。これはsystemdのアーキテクチャはUNIX哲学を破壊し最終的にシステムを連動した従属物にしてしまうと批評家達を主張させるようになっているためである。しかしながら2015年現在、主要なLinuxディストリビューションのほとんどはsystemdをデフォルトのinitシステムとして採用している。 ==設計== 初期にsystemdを開発したソフトウェア技術者である〔Lennart PoetteringとKay Sieversはどうにかしてinitデーモンの効率をしのごうとした。彼らはシステムのブート中にたくさんの処理を並行または並列に行えるようにし、さらにシェルのオーバーヘッドを減少させることで、依存関係を表現するソフトウェアフレームワークを改良したいと思っていた。 Poetteringはsystemdの開発を「決して終了せず決して完成しないが、技術の進歩を追い求める」ことと述べている。2014年5月にPoetteringはさらに進んで、systemdは以下の3つの雑多な機能を提供して「ディストリビューション間の無意味な違い」の統合を目指すものであると定義した〔: * システムとサービスマネージャ(様々な設定を適用することでシステムとそのサービスを両方管理する) * ソフトウェアプラットフォーム(他のソフトウェアの開発基盤となる) * アプリケーションとLinuxカーネルとの接着剤(カーネルが提供する機能をさらけ出す様々なインタフェースを提供する) systemdはinitデーモンの名前ではなく、 initデーモンに加え、およびの各デーモンとそれ以外の多くの低レベルコンポーネントを含む、systemdにバンドルされた全てのソフトウェアを指している。2013年1月、Poetteringはsystemdは1つのプログラムではなく、69個の個別バイナリから成る巨大なソフトウェア一式だと述べた〔。systemdは統合されたソフトウェアスイートとして、伝統的なinitデーモンが自身の制御の元で実行するシェルスクリプトと協力して制御する起動過程とランレベルを置き換える。systemdは、ユーザーログイン、システムコンソール、デバイスホットプラグ(udevを参照)、計画された実行ロギング(cronを置き換える)、ホスト名およびロケールを処理することで、Linuxシステムで共通なsystemd以外のサービスの多くを統合する。 はinitデーモンのように、自身を含むバックグランドプロセスである全てのデーモンを管理するデーモンである。はブート中に開始される最初のデーモンであり、シャットダウン中に終了される最後のデーモンである。デーモンはユーザー空間のプロセスツリーのルートとなる。最初のプロセス (pid 1) は(親プロセスから分離した)デーモンプロセスが終了した際にSIGCHLDシグナルを受け取るため、UNIXシステムでは特殊な役割を持つ。このため、最初のプロセスはデーモンをモニタリングする目的のために特に適している。systemdは、通常はデーモンを自動で再起動しないが、さらなるモニタリングせずにデーモンを一度だけ開始するといった伝統的なアプローチより上の領域を改善しようとしている。 はその起動過程の要素を並行に実行する。それは伝統的な起動過程のシーケンシャルなアプローチよりも高速である〔。プロセス間通信 (IPC) のため、はUNIXドメインソケットとD-Busを実行しているデーモンから使えるようにする。将来の再呼び出しに備えて、自身の状態をスナップショットに保存することもできる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「Systemd」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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