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薄膜トランジスタ(はくまくトランジスタ、thin film transistor、TFT)は、電界効果トランジスタ(field effect transistor、以下FET)の1種である。基本的に三端子素子(バックゲート端子 (B) が存在しない)である。主に液晶ディスプレイ (LCD) に応用されている。半導体活性層としてセレン化カドミウム (CdSe) を使ったTFTは固体撮像素子用として1949年に発表され、1973年にLCDの駆動が発表された。半導体としてケイ素 (Si) を用いるものには、アモルファス膜と多結晶膜とがあり、アモルファス膜は1979年に英国ダンディ大学で開発され、その後日本を中心にLCD用に活発に研究開発が進んだ。アモルファスSiと多結晶SiのTFTは、カラーTFT LCDとして広く応用されている。現在、最も多くのPCで使われている液晶で、携帯電話や携帯情報端末、携帯ゲーム機でも普及してきているが若干、高価である。 == 特徴と分類 == ゲート電極の位置・層(レイヤー)の配置で、4種類に大別される。 * スタガード (staggered) 型 * インバーテッド・スタガード (inverted staggered) 型 * コープレーナー (coplanar) 型 * インバーテッド・コープレーナー (inverted coplanar) 型 スタガード型はドレイン電極とソース電極がチャネル層を挟んでゲート電極と反対側に配置されている。コープレーナー型はドレイン電極とソース電極がゲート電極とチャネル層の同じ側面に配置されている。インバーテッド型は別にボトムゲート型とも呼ばれ、ゲート電極がチャネル層の下側に配置されている。 通常の MOSFET と異なり、印加されたゲート電圧によって蓄積層 (accumulation layer) を形成してコンダクタンスを制御する。これは通常の MOSFET が反転層 (inversion layer) を形成してコンダクタンスを制御するのとは大きく異なる。すなわちn型のキャリアは電子、p型のキャリアはホールであることも特徴であり、同時にソース電極およびドレイン電極付近でpn接合を形成しない為、チャネル層の物質如何によってはpおよびn型両方の特徴を兼ね備えるアンバイポーラ (ambipolar) として機能する。 薄膜トランジスタの薄膜と言う呼称は、トランジスタを構成する半導体層やゲート絶縁膜、電極、保護絶縁膜などが真空蒸着やスパッタリング、プラズマを用いた化学気相成長(プラズマCVD)などで薄膜状にガラスあるいは石英製の基板に形成されることに由来する。なお、基板にプラスチックを使う研究開発もなされている。 反転層を形成しないため、スレッショルド(しきい値)電圧の意味が MOSFET のものと異なる( MOSFET ではスレッショルド電圧は強反転層を形成し始めるゲート-ソース電圧を指すが薄膜トランジスタでは反転層形成自体が存在しない)が、基本的な公式や考え方は MOSFET のそれと変わらず、そのままコンセプトを応用できる。ただしバックゲート電極が存在しないため、基板バイアス効果によるしきい値電圧の変動は行えない。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「薄膜トランジスタ」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Thin-film transistor 」があります。 スポンサード リンク
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