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TRAXX(トラックス)は、ボンバルディア・トランスポーテーションの、電気機関車およびディーゼル機関車を製造するためのプラットフォームである。 日本においては、鉄道車両を製造する際には鉄道事業者の指定の仕様での製作、つまりオーダーメードであることが一般的である。これに対し、TRAXXはセミオーダーメードタイプと呼べるもので、搭載機器のモジュール化を行い、各種の電気機関車およびディーゼル機関車を造ることができる。 現在、ドイツ、スイス、イタリア、ルクセンブルクで使用されている。 == TRAXX(185.1形系統) == TRAXXは、AEGアンドヘンシェル(当時。のちアドトランツを経て現ボンバルディア・トランスポーテーション傘下)が1994年に作った128形試作機を元とする。これは、ドイツ鉄道(DB)が、1950年代〜1960年代にEinheitslokomotiven(英訳:Uniform Electric Locomotive)と呼ばれる、一定の仕様により製造された機関車を置き換えるために作られた交流電気機関車(電圧15kV、16.7Hz)で、出力6400kw、最高速度は時速220kmに達する。クラウス=マッファイのユーロスプリンターでの127形に相当する。127形は、ドイツ鉄道120形を発展させた三相モーターを使用した電気機関車である。 試作機は、ドイツ鉄道から80両の中形貨物用機関車を受注することにつながった。これらはドイツ鉄道145形とされ、1997年からアドトランツ(当時)で製造された。三相モーターを使用したことは、TRAXXのような製造システムを容易なものにした。少しの変更で、この機関車はほとんどのヨーロッパ地域を走ることができた。さらにDBは400両の185形を発注。2002年までに製造された車両は出力が計4200kwだったが、のちに5600kwに増強されている。最高速度は時速140kmないし160kmである。 2000年のハノーヴァー万国博覧会の開催中、DBは数両の145形を重量ダブルデッカー旅客列車の牽引に充当した。結果は満足いくもので、モディファイを施した146形が発注された。主な変更点はクイル式駆動方式としたことで、最高速度を時速160kmとした。2003年、185形が同様の改造を施され、146.1形となった。 各種電気機関車のうち、もっとも出力の高い機関車ということで、スイス連邦鉄道(スイス国鉄)およびBLSによりゴッタルド鉄道トンネル、レッチュベルクトンネル、シンプロントンネルを通過する重量列車牽引機に選定された。2002年よりそれぞれRe482.1形およびRe485形として配備されている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「TRAXX」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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