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TRU廃棄物(TRUはいきぶつ、)とは、原子番号がウランの92番よりあとの元素を構成する核種(超ウラン元素〔ネプツニウムやプルトニウムなど〕)を含む放射性廃棄物を言う〔アルファ線を放出する放射性廃棄物をアルファ廃棄物(alpha waste)と呼ぶ。アルファ放射体(アルファ線を放出する放射性核種)としてはウラン235、鉛210、ラジウム236のほかプルトニウムなどの超ウラン元素の各核種が主要ものとなる。アルファ廃棄物のうち超ウラン元素に属する放射性核種を多く含むのであればTRU廃棄物と呼ばれる。超ウラン元素に属さない核種であっても、ビスマス以上の原子番号の核種であればアルファ崩壊は起こすので、アルファ廃棄物であってもTRU廃棄物ではないことがあるが、構成する放射性核種は共通するものが多いことから混同されることも少なくない。 土井(1993) p.185 『アルファ廃棄物』〕。いわゆる低レベル放射性廃棄物に分類される〔長崎・中山(2011) p.7〕。 日本においては、TRU廃棄物のうちの長寿命放射性核種を多く含む廃棄物は、高レベル放射性廃棄物同様に地層処分されることとなっており、放射能の強さに応じて適切な深度への処分が行われる計画である〔長崎・中山(2011) pp.123-124〕。 == 概要 == MOX(Mixed Oxide:混合酸化物)燃料加工や使用済み核燃料再処理の運転・保守の結果発生する廃棄物は、超ウラン元素(TRU:TRans-Uranium)〔超ウラン核種はいずれも人工的に創造されたもので従来は存在しなかった物質である。 土井(1993) p.210 『TRU(核種)(廃棄物)』〕で汚染されていることが特徴である〔日本においてTRU廃棄物の発生源はこのMOX燃料加工と使用済み核燃料の再処理に伴うもの(イギリス、フランスに再処理委託を行った結果変換されてきた返還廃棄物の中のTRU廃棄物を含む)の二つだけである。 長崎・中山(2011) pp.6-7〕。これら廃棄物はいわゆる低レベル放射性廃棄物に分類されるが、長期間の隔離を要するなどの特異な性格を持つ〔 土井(1993) p.41〕ことからTRU廃棄物(TRans-Uranic waste)と区分されて呼ばれる〔TRU廃棄物には超ウラン元素のほか 14C や 129I などの長寿命核種も代表的な核種として含まれる。長崎・中山(2011) pp.6-7〕。 高レベル放射性廃棄物とは異なり、超ウラン元素を含むTRU廃棄物は、化学形態、放射能濃度も様々である。そのため、原子炉等規制法及びその施行令により、核種毎の放射能濃度により、 * 第1種放射性廃棄物(炭素14が10PBq/t以上、塩素36が10TBq/t以上、テクネチウム99が100TBq/t以上、ヨウ素129が1TBq/t以上、α線放出核種が100GBq/t以上のうちのいずれかの条件を満たすもの)、 * 第2種放射性廃棄物(炭素14が87TBq/t以上、塩素36が96GBq/t以上、Tc99が1.1TBq/t以上、ヨウ素129が6.7GBq/t以上、α線放出核種が8.3GBq/t以上のうちのいずれかの条件を満たすもの)、 * それ以外 に分類され、分類に応じた処分がなされることとされている。 TRU廃棄物は超長寿命核種 (MA) を大量に含むため加速器駆動未臨界炉で核変換をさせ、短半減期にして、ストロンチウムなど高発熱核分裂生成物を分離して、低発熱・短半減期のものを保管して、天然ウラン以下の放射線になったところで廃棄する方策が検討されている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「TRU廃棄物」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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