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UART UART (Universal Asynchronous Receiver Transmitter) は、調歩同期方式によるシリアル信号をパラレル信号に変換したり、その逆方向の変換を行うための集積回路である。本機能のみがパッケージングされたICで供給されるものと、マイクロプロセッサのペリフェラルの一部として内蔵されるものとがある。マキシムのMAX232のような、RS-232C規格に準拠する信号レベルに変換するICと組み合わせて、外部機器とのインタフェースとして利用されるのが一般的である。UARTに、同期方式のシリアル信号を変換するための回路を追加したものを、USART (Universal Synchronous Asynchronous Receiver Transmitter) と呼ぶ。 == 代表的なUART == 代表的なUARTとしては、ナショナル セミコンダクターの開発した16550Aがある。IBMの発売したPC/ATでは、16450というUARTが採用されたが、これにFIFOを内蔵したものが16550Aである。現在でもPC/AT互換機のシリアルポートでは、16550Aと互換性のあるUARTが使用されている。16450と互換性を保つため基準発振周波数1.8432MHzな最大通信速度115.2kbpsが標準だが、この基準発振周波数を変更するか、互換性のある拡張機能を使用する事により、より高速なデータ通信速度が設定できるUARTが多い。16550Aからの拡張機能を使う事で、16950系で460.8kbps、16750系で921.6kbpsなどと、16550Aと速度設定条件の互換性を保ったまま高速化できる。拡張機能を使わず基準発振周波数のみ最大周波数を供給する事で、16550Aに8MHzで0.5Mbps、16550AFに24MHzで1.5Mbps、OX16C950Bに60MHzで3.75Mbpsなどと、ソフトウェア制御設定を変えずに高速化できる。拡張機能を使い基準発振周波数を最大にする事で、OX16C950Bに60MHzで15Mbps、XR16M255x & XR16M265x & XR20M117x & XR20V217x シリーズに64MHzで16Mbpsなどと、高速化できる。16550Aとの互換性を無くし、更に高速化したUARTもある。 16550より以前に存在していたインテル 8250も広く使われていた。Z80ファミリではZ80 SIO(Z84C40)やZ80 SCC(Z85C30)が存在する。Z80SCCはサンマイクロ社をはじめとする多くのUNIXワークステーションで使われた。 組み込みシステム向けのマイクロコントローラでは、UARTまたはUSARTは内蔵していない品種を探す方が難しいほど一般的なペリフェラルである。例として、フリースケールやルネサス エレクトロニクスでは、SCI(Serial Communication Interface)という名前でUSARTの機能が内蔵されている。現在でも、8〜16bitのローコストのマイクロコントローラではUSARTが唯一の通信インタフェースであることも多いが、一方でパーソナルコンピュータではシリアルポートを搭載しない機種が大勢を占めるようになった。このため、このようなマイクロコントローラとパーソナルコンピュータ間でデータ通信を行うために、市販のUSB-シリアル変換ケーブルがよく用いられる。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「UART」の詳細全文を読む
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