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UT2 ( リダイレクト:世界時#種類 ) : ウィキペディア日本語版
世界時[せかいじ]
世界時(せかいじ、、、、略語:UT)とは、平均太陽時を世界で一意となる形に定義した時刻系である。地球の自転に基づく時刻系の一種である。
現在はUT1を指す(天測航法及び測量におけるの独立引数)、もしくは協定世界時(UTC)を指す(法令通信民生用など)。
世界時は、グリニジ平均時 ()、すなわちイギリスグリニジを通る経度0度の子午線上での平均太陽時を部分的に継承している。現在のような常用時正子から計る)のグリニジ平均時の導入時に、それを「世界時」と呼ぶことが始まった。


== 地球の自転とLOD(一日の長さ) ==

子午線を通過する天体を毎日観測することによって、地球の自転に基づいた時刻を測定することができる。天文学者は測定方法として太陽を観測するよりも(太陽時)、恒星の子午線通過を観測する方(恒星時)をよく用いる。恒星を使う方がより精度のよい観測を行えるためである。今日では、VLBIを用いて遠方のクエーサーを観測することでUTを決定している。実際には国際原子時(TAI)との差を求めており、マイクロの精度で決定が可能である。
地球の自転とUTは国際地球回転・基準系事業(IERS)によって監視されている。時刻標準の制定には国際天文学連合(IAU)も関わっているが、時刻標準を通報する方式に関しては国際電気通信連合(ITU)が責任を有する(時刻標準の通報の実施は各国の国家標準機関)。
地球の自転は不規則であり、かつ1の長さ も長期的(数百年の年数)にはの永年加速などによって非常にゆっくりと長くなっている。国際単位系における1の長さは1750年から1890年までの月の観測から決められた値に基づいているため、平均太陽日の現在の平均値はSI秒とはミリ秒単位の差があるものとなってしまった。
地球の自転の観測によるLODは、短期的(10年~50年程度の年数)には、常に秒より長くなり続けているわけではない。1970年代にはLODは秒程度(秒よりも3ミリ秒(ms)ほど長い。)であったが、2000年から2012年までは、秒(秒よりも1ミリ秒(ms)ほど長い。)以下に短くなっている〔緑の線が365日移動平均値(Moving 365-day average of deviation)である。〕〔 LODの推移。ただし、2010年半ばまでのデータしかない。〕〔 最近2か月間の毎日の(LOD-)の値(単位はミリ秒)〕。1999年以降は、毎年6月~8月には、LODは秒より短くなる期間さえある。
LODが秒より数ミリ秒だけ長いことが、閏秒を挿入する理由である。すなわち、LODが秒より1ミリ秒だけ長いとすると、日間の累積で1秒に達する。したがって、 = 2.74年であるので、約3年ごとに閏秒を挿入する必要があるのである(詳細は閏秒を参照)。
UTの刻みの不規則性のゆえに、天文学者は暦表時を導入した。暦表時は現在は地球時(TT:Terrestrial Time)に置き換えられている。地球時(TT) = 国際原子時(TAI)+32.184秒 である。
原子時の一形態である太陽系力学時(TDB:Barycentric Dynamical Time)は、主に2つの理由から惑星やその他の太陽系天体の天体暦を作る際に使われる時刻である。第一の理由は、これらの暦は惑星運動の光学・レーダー観測と結び付いており、一般相対性理論の補正の下でニュートンの運動方程式が成り立つようにTDB時刻系が作られているためである。第二は、地球の自転に基づく時刻系は一様に進まないので太陽系天体の運動の予測には使い難いためである。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「世界時」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Universal Time 」があります。




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