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VMR-WB()はマルチレートの広帯域音声符号化方式で、CDMA2000 方式の第三世代携帯電話で利用される。また GSM や W-CDMA で利用される広帯域音声符号化方式の AMR-WB と相互運用性のあるモードを持つ。 また、ITU-T が勧告した広帯域音声符号化方式 G.718 のコアコーデックのベースとしても利用されている。 == 概要 == VMR-WB は、W-CDMA などで使用される AMR-WB と同様、マルチレートをサポートする音声符号化方式で、通常の電話インタフェースの2倍の帯域幅を持つ 50 Hz-7000 Hz(サンプリング周波数 16kHz)の広帯域音声を扱うことができる。通常の狭帯域の音声(100 Hz-3700 Hz、サンプリング周波数 8kHz)も同じように扱うことができる。 VMR-WB は標準化団体の3GPP2(3rd Generation Partnership Project 2)が標準化を行った。 VMR-WB は、それ以前に開発された AMR-WB のコアとなる技術をベースとしており 〔3GPP2. C.S0052-A Version 1.0 ''Source-Controlled Variable-Rate Multimode Wideband Speech Codec (VMR-WB) Service Options 62 and 63 for Spread Spectrum Systems''. 3GPP2, April, 2005.〕、 その略称も AMR-WB を意識したものとなっている。 ビットレートは入力となる音声信号の種類(有声音/無声音/無音状態など)により変わる。また、ネットワーク側からのモード指示により変えることもできる。 VMR-WB Revision 0 ではモード 0 からモード 3 までの4つのモードがあり、これらのモードでのビットレートは 13300 bps、6200 bps、2700 bps、1000 bpsのいずれかである。 改訂版の VMR-WB Revision A ではモード 4 が追加され、このモードでは 8550 bps、4000 bps、800 bps のいずれかになる。 モードは、携帯電話と基地局との間の無線状態など通信ネットワーク側の状態と、要求される通信品質(QoS)により決められる。音声の品質はモード 0 が高くモード 1、モード 2 と順次低くなり、また平均ビットレートも同様に低下する。モード 3 は AMR-WB と相互運用性のあるモードで、AMR-WB での 12.65、8.85、6.60 kbpsのビットレートをサポートする。 モード 0 ~ 3 は CDMA2000 ネットワークでのレートセット II(14.4 kbpsを基準とする通信レート)用である。 モード 4 はレートセット I(9.6 kbpsを基準とする通信レート)用に使われる。 VMR-WB の符号化アルゴリズムは ACELP(Algebraic Code Excited Linear Prediction)を使用する。 VMR-WB の特徴は以下の通りである。 * 入出力のサンプリング周波数は広帯域の場合 16 kHz/16 bit、狭帯域の場合 8 kHz/16 bit * 入力となる音声信号の種類とモード指定による可変ビットレート、 * ACELP を使用 * 20 msのフレーム長、符号化遅延 32.8125 ms(広帯域の場合)、32.875 ms(狭帯域の場合) * AMR-WB との相互運用モードあり VMR-WB の符号化データを RTP を用いインターネット上で送るためのデータ形式は、IETF標準の RFC 4348 と RFC 4424 で定義されている 。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「VMR-WB」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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