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VTEC : ウィキペディア日本語版
VTEC[ぶいてっく]

VTEC(ブイテック、Variable valve Timing and lift Electronic Control system)は、本田技研工業が開発した4サイクルエンジン用の可変バルブタイミング・リフト機構および、その名称である。
== 概要 ==
一般的に、4サイクルエンジンは燃焼ガス(ガソリン空気混合気)を吸気し、それを燃焼させることで動力を発生させ、燃焼済みのガスを排気するというサイクルを繰り返す仕組みになっている。吸気量および排気量は、ピストンの上下動に伴うバルブの開閉時間(バルブタイミング)・リフト量によって制御される。
エンジンの回転数が低いときは、バルブを少ない時間で少なく開け、回転数が高いときは、バルブを長い時間に大きく開けるなど、吸気効率の良いバルブタイミングとバルブリフト量を回転数にあわせて調整することが望ましい。VTECは、バルブの開閉タイミングとリフト量をエンジンの回転数に応じて変化させ、吸排気量の調整を行う技術「可変バルブ機構」のひとつである。
初期のVTECは、カムシャフトにハイ/ロー2種類のカムを設け、そこに接するロッカーアームを一定の回転数に達した際に切り替え、バルブタイミング・リフト量を変化させる。VTEC以前にも、カムシャフトを油圧によりスライド(回転)させ、クランクシャフトに対する相対的な位相(角度)を変える方式は実用化されていたが、リフト量とバルブタイミングを同時に変化させる機構はVTECが初めてであった。これにより、低回転域と高回転域それぞれにおいて、バルブタイミングおよびリフト量が最適化され、低回転域のトルクと高回転域のパワーを両立させることが可能となった。B16A型エンジンに初めてこの機構が搭載され、自然吸気エンジンでありながら排気量1Lあたり100馬力超を実現した。NAエンジンユニットとしては非常に高回転型エンジンとして知られており、そのかん高いエンジンサウンドを好むファンも少なくない。
この機構の発案については、焼き鳥屋でねぎまを焼いている様子を見ていた技術者が、串に打たれた具材が回ったり回らなかったりする(ネギは回るのに肉は回らない、など)のを見て、発想したものである〔Honda | Honda ism-log | Vol.2 「焼き鳥から生まれた革新」 〕。
また、VTEC-Eを開発する際にはスワールの研究ではトイレ小便器で用を足す角度まで参考にしていた〔ホンダの企業広告でも同様の内容で紹介された。〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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