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可変電圧可変周波数制御(かへんでんあつかへんしゅうはすうせいぎょ)とは、インバータ装置などの交流電力を出力する電力変換装置において、その出力交流電力の実効電圧と周波数を任意に制御する手法である。 日本では、鉄道車両の交流モータ駆動方式として、可変電圧可変周波数を英語に直訳した語の頭文字をとって、VVVF制御(ブイブイブイエフせいぎょ、もしくは、スリーブイエフせいぎょ〔草思社「全国鉄道事情大研究」大阪都心部・奈良編 用語解説では「スリーブイエフと言う」と書かれている。〕)と呼ぶが、鉄道分野以外で一般に「電動機の可変速駆動制御」などと呼ばれるものに含まれる。家電分野ではインバータ・エアコンなどに使われる。 なお、概要の項で示される通りVVVFは和製英語であり、英語圏では主にAVAFと言われる。 * 半導体素子を用いた直流を交流に変換する装置は → インバータ * 直流電化区間で運転される鉄道車両の補助電源装置は → 静止形インバータ * 電圧-周波数比例モータ制御は → VVVFインバータ制御 * 鉄道関係(技術解説)は → 電気車の速度制御 をそれぞれ参照 == 概要 == 電力変換装置の出力電力手法には可変電圧可変周波数制御のほかに、定電圧定周波数制御(CVCF制御)、可変電圧定周波数制御(VVCF制御)、定電圧可変周波数制御(CVVF制御)がある。 電気鉄道では交流電圧波形のピーク-ピークが架線電圧までは周波数と電圧を比例させ(VVVF制御領域)、架線電圧に到達後は誘導電動機ではスベリを増やして定出力とし、スベリ限界以降はトルクが速度の2乗に反比例する特性が基準になる(CVVF制御領域)。このVVVF制御された出力特性は弱界磁制御を行う直流直巻モータの特性に酷似している〔モータ単独特性は電圧-回転数=周波数比例〕。静止形インバータ(SIV)はCVCFとされるが、定電圧制御を行うものはVVCFに帰還制御を施したとも言える。 この制御で得られる可変電圧可変周波数の電力は、交流電動機を可変速駆動する目的で使われる。そのため、電力変換装置に接続された交流電動機を可変速駆動する制御方式を指すことがある。 このような出力や電動機制御を実現する鉄道用インバータ装置をVVVFインバータと呼ぶ。VVVFは和製英語である。中国や韓国などでは、日本メーカの呼称の影響を受けてこう呼ぶ場合もある。 この技術は鉄道車両(電車、電気機関車)、自動車(電気自動車、ハイブリッドカー)、エレベーターといった輸送用機器やファン、ポンプ、空調設備、圧延機などさまざまな産業用機器、さらには家庭用電気機械器具(家庭用エアコン、冷蔵庫、洗濯機他)などで広く利用される。 「PAM」、「PWM」というのは直流から任意の交流疑似正弦波波形を生成する方式に使用され、前者がパルス振幅を変えて交流波形を生成する(パルス振幅変調)もの、後者がパルス幅を変えて交流波形を生成する(パルス幅変調)方式でありPAMは電圧を昇圧(降圧)させる部分と交流に変換するインバータ部で構成される。 PAMは装置がやや複雑になるため今は鉄道車両では使われていない。PWMは多くのインバータ制御で使われており従来の多段合成変圧器を用いた正弦波インバータより小型高効率にすることが可能である。 大電力のVVVF制御に多用される方式である、「3レベルインバータ」は耐電圧の低い素子を使用するために電源の中間電圧レベルを供給する回路方式であるが、動作としてはPWMである。これに対して直流電源電圧をオン-オフする元々の単純な方式を「2レベルインバータ」と言い、高電圧用の半導体素子の開発に伴い2レベルインバータに回帰し始めた。 回生制動時には電力の通過方向が逆になり、実質コンバータとして働いている。 交流での回生制動を可能にする交直変換回路として整流部にPWMコンバータが用いられるようになったが、それは力行・回生双方向性を持ち、力行時にはコンバータとして使用しつつ、回生時にはインバータとして使用する必要があるためである。 IGBT以前では2レベルがほとんどであった。例外として、黎明期のGTO素子は高耐圧なものがなかったために3レベルとしたインバータもある。東急6000系電車(初代)などが該当する。また、JR東日本209系920番台電車では従来の大電流の平型GTOサイリスタに代わり、冷却装置に取付ける際の絶縁を考慮しなくて済む低耐圧モジュール型GTOを使用して、装置のコストダウンやメンテナンス性の向上を図っている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「可変電圧可変周波数制御」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Variable-frequency drive 」があります。 スポンサード リンク
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