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Y123 ( リダイレクト:イットリウム系超伝導体 ) : ウィキペディア日本語版
イットリウム系超伝導体[いっとりうむけいちょうでんどうたい]
イットリウム系超伝導体(イットリウムけいちょうでんどうたい)とは、イットリウム(Y)を含む、90ケルビン(K)以上で超伝導転移を起こす化合物のことである。高温超伝導の中で銅酸化物高温超伝導に分類され、Y系高温超伝導体、Y系銅酸化物高温超伝導体とも書かれる。化学式はYBa2Cu3O7である。構成する元素の頭文字をとってYBCO(ワイビーシーオー)または、構成元素の物質量比(モル比)からY123(イットリウムいちにさん)とも呼ばれる。初めて発見された液体窒素沸点(77 K)を超える転移温度をもつ超伝導体であり、この発見以後、超伝導の研究が盛んに行われるようになった。
==概要==
1987年2月にヒューストン大学のチューらによってY-Ba-Cu-O系超伝導体が90 K以上の転移温度を示すことが報告された。液体窒素の沸点(77 K)を超える転移温度をもつ超伝導体としては初めての発見であった。それまでにみつかっていた超伝導体はLa-Ba-Cu-Oで30 Kであったが、一気に90 K前後まで転移温度が上がったため、高温超伝導と呼ばれることとなった。ここでいう高温とは従来の超伝導体の転移温度のような極低温と比べて高温という意味である。
結晶構造はペロブスカイト構造を基礎とした層状の構造である。酸素欠損を有するため、YBa2Cu3O7-δあるいはYBa2Cu3O6.9等と書かれることもある。
希土類 - アルカリ土類 - - 酸素から構成されている。
Yを他の希土類元素(LaNdSmEuGdDyHoErTmYbLu)に置換しても同一の結晶構造をとり、90 K級の転移温度を示す。CeTbでは結晶構造を作らず、超伝導体にならない。Prでは結晶構造は作るが超伝導にはならない。焼結温度は、イオン半径が大きくなるにしたがって高くなる。焼結温度が一番高いのはGdの950℃である。イオン半径の短い(Er、Ho、Y、Dy)は、90 K以上の以上の試料を作るには920℃から980℃の焼結温度が必要である。希土類系の焼結時間を平均すると、Erは12時間、Hoは13時間、Dyは16時間、Gdは21時間、Ndは24時間である。イオン半径が短いグループの平均の焼結時間は12~16時間である。イオン半径の長いグループは20時間以上必要となる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「イットリウム系超伝導体」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Yttrium barium copper oxide 」があります。




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