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Zemmix(재믹스 ゼミクス)とは、大宇電子が1985年から1995年にかけて韓国で展開したゲーム機のブランド。「재믹스」とは「楽しみ」を意味する재미있다とMSXの合成語である。 1990年以降の大宇電子は日本電気 (NEC) のPCエンジンのOEMもZemmixブランドで発売するようになった。本稿では主に大宇電子がMSXを基にして独自開発したゲーム機について記述する。 == 概要 == Zemmixとは、韓国の大手電機メーカーでありMSX規格にも参入した大宇電子がMSX規格に基づいて独自開発したゲーム機である。MSX規格のハードを簡素化してゲーム専用機としたものであり、1985年から1995年にかけてMSX1、MSX2、MSX2+の各世代に渡って製造された。 初代ZemmixおよびZemmix Vに搭載されているのはROMカートリッジ用スロットとジョイスティック入力端子のみで、その為キーボードを必須要件とするMSXのロゴが使用されていない。BASIC-ROMを搭載しているが中身が一部書き換えられており、BASICが起動しないようになっている他、一部のメガロムが正常動作しないなどの不具合がある。Zemmix Super Vは「起動時のMSXロゴがZemmix Super Vのロゴになっている」「BEEP音がSET BEEP 4の音に固定されている」等のカスタマイズが施されているが、MSX-BASICが起動してキーボード接続端子も備えているためパソコンとしても使用することが出来る(そのため本体にMSX2のロゴが付いている)。なお大宇電子では「大宇ポスコム」ブランドで通常のMSXも併売していた。 供給されたゲームソフトはMSX用のソフトとほぼ完全な互換性を有しており、ジョイスティックをサポートしたMSX用ROMカートリッジソフトであれば、そのまま遊べるようになっている(キーボード入力を必須とするゲームは別売のキーボードが必要)。Zemmix TurboはV9958を搭載し、MSX2+対応のソフトが動作する、日本国外のメーカの製品としては唯一MSX2+以降と互換性のあるハードである。ただし搭載されているMSX-BASICがバージョン2.0で、マシン語レベルでしかMSX2+の機能が使用できないなど、互換性は中途半端なものとなっている。またTURBOボタンを押すことでソフトを高速化して動かすことが出来る。 他国同様に韓国でも1980年代前半に繰り広げられたホビーパソコンの熾烈なシェア争いの結果、韓国ではApple IIとMSXが生き残ったが、特にMSXに注力した大宇電子が1985年に投入したゲーム専用機Zemmixは大々的なCM効果もあり1980年代後半の韓国ゲーム市場で寡占的な影響力を持った。しかし1989年にライバルの三星電子がセガと提携しマスターシステムのOEM機を、現代電子も任天堂と提携してファミコンのOEM機を市場に投入したことで、そのシェアを失う。1990年にはZemmix(大宇電子製ゲーム機)のラインナップにPCエンジンシャトルのOEM機が加わるが、PCエンジンコアグラフィックス以降の世代のPCエンジンのOEM機はヘテ電子が取り扱うようになったこともあり、結局大宇電子は1995年までMSXを基にした独自路線のゲーム機を販売し続けた。 Zemmix普及以前の韓国では、パソコンやゲーム機はごく少数のマニアのものであり、ソフトもハッカー集団が製作した物をショップに持ち込んで直接取引きするなど、80年代初期の日本とほぼ同じ状況であった。リリースされるソフトはその全てが既存のソフトの非ライセンス移植か盗作であったが、1985年のZemmix登場による家庭へのゲーム機(パソコン)の普及と、1987年のソフトウェア著作権保護法によるパクリゲームの禁止により、1987年には韓国史上初のオリジナルRPG『신검(神劍)의 전설(傳説)』(Apple II用)がApromanからリリースされるなど、韓国のゲーム産業は順調に発展してゆくことになる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「Zemmix」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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