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℘ ( リダイレクト:ヴァイエルシュトラスの楕円函数 ) : ウィキペディア日本語版
ヴァイエルシュトラスの楕円函数[ヴぁいえるしゅとらすのだえんかんすう]
数学におけるヴァイエルシュトラスの楕円函数(ヴァイエルシュトラスのだえんかんすう、)は、カール・ヴァイエルシュトラスに名を因む、単純な形をした楕円函数の一種である。このクラスの楕円函数は、ペー函数と呼ばれ、一般に なる記号(ヴァイエルシュトラス・ペー)で表される。

== 定義 ==

ヴァイエルシュトラスの楕円函数は、近しい関係にある三種類の方法で定義することができて、それぞれ一長一短がある。一つは、複素変数 ''z'' と複素数平面上の格子 Λ の函数として、いま一つは ''z'' と格子の二つの生成元(周期対)を与える複素数 ω1, ω2 を用いて述べるもの、残る一つは ''z'' と上半平面における母数 (modulus) τ に関するものである。最後のはその前のと、上半平面上の周期対を選んで τ = ω21 とした関係にある。この方法では、''z'' を止めて、τ の函数と見ると、ヴァイエルシュトラス楕円函数は τ のモジュラー函数になる。
周期対を与える方法を具体的に書けば、ω1, ω2 を二つの周期に持つペー函数は、
:
\wp(z;\omega_1,\omega_2)=\frac+
\sum_
\left\

で定義される。このとき、周期格子
: \Lambda=\
を考えれば、格子の任意の生成対に対して
: \wp(z;\Lambda)=\wp(z;\omega_1,\omega_2)
は複素変数と格子の函数としてのペー函数を定める。
上半平面に属する複素数 τ に対して、
: \wp(z;\tau) = \wp(z;1,\tau) = \frac + \sum_\left\
と置く。上記の和は −2-次の斉次和である。このペー函数を用いると、先に述べた周期対に対するペー函数は
: \wp(z;\omega_1,\omega_2) = \frac
と書ける。ペー函数は収斂の早いテータ函数を用いて表せば、上記の定義に用いた級数を用いるよりも、手早く計算できる。テータ函数による表示は
: \wp(z; \tau) = \pi^2 \vartheta^2(0;\tau) \vartheta_^2(0;\tau)-\left+ \vartheta_^4(0;\tau)\right
で与えられる。ペー函数は(原点を含む)周期格子の各頂点において二位のを有する。
これらの定義のもと、ペー函数 は偶函数、その ''z'' に関する導函数 は奇函数になる。
さらに楕円函数論を推し進めれば、与えられた周期格子を持つ任意の有理型函数の中で、ペー函数に関する条件は、定数を加えたり非零定数倍したりすることを除き、極に関する条件のみで決まることが示される。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ヴァイエルシュトラスの楕円函数」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Weierstrass's elliptic functions 」があります。




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