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歌いもの 歌い物 謡い物 謡曲物 謡物
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歌いもの(うたいもの)または謡物(うたいもの)とは、日本の伝統音楽(邦楽)における一ジャンルで、 #(器楽曲に対して)日本の雅楽のなかで、催馬楽や朗詠など声楽の範疇に属する音楽の総称〔〔器楽合奏曲の『越天楽』の主旋律に歌詞をあてはめて歌う楽曲は『越天楽歌物』と称されている。この場合は、「語りもの」に対しての「歌いもの」の意ではなく、器楽曲に対しての意である。吉川(1990)p.74〕。 #(「語りもの」に対して)日本の伝統的な声楽のなかで、地歌、長唄、端唄など、歌うことを目的とした音楽の総称〔吉川(1990)p.74〕。多くの場合、「歌いもの」「歌もの」などと表記される。 #(能楽に関連して)能以外の種目で能に取材した作品群。「謡物」と表記される〔田邊(2004)〕。 である。本項では、1.と2.について説明する。3.については、「''謡曲物''」参照。 == 概要 == 冒頭に示したとおり、「歌いもの」の語は多義的であり、1つには、雅楽において声楽をともなう曲種の総称である。この場合には、器楽曲すなわち「曲(ごく)のもの」との対概念となる〔。より狭義には、番組編成形式としての「管絃」における声楽曲種のことを意味しており、具体的には催馬楽や朗詠などであるが、用語として今日用いられることは少ない〔。 声楽は、伝統的な日本音楽(邦楽)において、その大部分を占めている〔薦田(1990)p.116〕。日本音楽における声楽は、「歌いもの」と「語りもの」に大きく分けられる〔。「歌いもの」は、旋律やリズムなど、その音楽的要素が重視される楽曲であるのに対し、「語りもの」は詞章が何らかの物語性をもつ楽曲であり、語られる内容表現に重点が置かれる音楽である〔。 すなわち、声楽曲の様式分類用語として用いられる場合には「語りもの」と対をなす概念といえる〔。この場合、ことばの抑揚よりも旋律美が優先し、極端な場合、たとえば民謡における「追分形式」(小泉文夫による命名)などでは歌詞の一音が長く延伸され、そこに、細かい旋律的な装飾をともなうような例さえある〔。「歌いもの」は文字通り、日本語の「うた」によるが、「うた」の語源には諸説あり、そのなかには、言霊(言葉そのものがもつ霊力)によって相手の魂に対し激しく強い揺さぶりを与えるという意味の「打つ」からきたものとする説がある〔徳江「歌謡」(2004)〕。その一方では、「歌う」の語源は「うった(訴)ふ」であり、歌うという行為には相手に伝えるべき内容(歌詞)の存在を前提としているという民俗学者折口信夫による見解もある〔吉川(1990)p.75〕。なお、音楽学者吉川英史は、日本伝統音楽における「うたう」と「語る」の一般的相違を以下のようにまとめている〔吉川(1990)p.76〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「歌いもの」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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