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『お茶漬の味』(おちゃづけのあじ)は、小津安二郎監督による1952年の日本映画。 『麦秋』に続いて小津安二郎と野田高梧が共同で脚本を執筆し映画化した作品。地方出身の素朴な夫と夫にうんざりする上流階級出身の妻、二人のすれ違いと和解が描かれる。 == 製作 == もともと本作は、小津が1939年に中国戦線から復員したあとの復帰第一作としてとるつもりで書いたシナリオであった。小津によれば、初めに考えたタイトルは『彼氏南京に行く』で、内容は「有閑マダム連がいて、亭主をほったからしにして遊びまわっている。この連中が旅行に行くと、その中の一人の旦那が応召されるという電報が来る。さすがに驚いて家に帰ると亭主は何事もないようにグウグウ寝ていて、有閑マダムは初めて男の頼もしさを知るという筋」だったという。〔『小津安二郎 僕はトウフ屋だからトウフしかつくらない』(人生のエッセイ)、日本図書センター、2010年、p112〕この内容が内務省による事前検閲をパスしなかったため、映画化を断念したものだった。この映画の内容の事前検閲はそのころ作られた映画法によるものだが、戦争に反対するような要素が何もない本作すら、「戦時下の非常事態にブルジョア婦人たちが遊び歩く」ことや「赤飯を食べるべき出征の前晩にお茶漬けなどを食べる」などの程度の問題でも映画製作が許されない時代になったことで当時の映画人たちに衝撃を与えた事件だった。〔佐藤忠男、『日本映画史2 1941-1959』、岩波書店、p27〕このお蔵入りのシナリオを引っ張り出した小津と野田は戦中と戦後の変化にあわせて設定を変更した。主人公夫婦がよりを戻すきっかけも夫の応召でなく、ウルグアイのモンテビデオ赴任に変わっている。〔松竹映像版権室編、『小津安二郎映画読本(新装改訂版)』、フィルムアート社、1993年、p90〕 マキノ雅弘監督の『離婚』(1952年)で共演したばかりの佐分利信と木暮実千代を夫婦に配し、笠智衆など小津作品常連のベテランと鶴田浩二らの若い顔ぶれを合わせて脇を固めた。「社長」役で出演している石川欣一は本職の俳優ではなく、英米文学の翻訳でも知られたジャーナリスト。上原葉子(加山雄三の母)は戦前の名子役「小桜葉子」であるが、上原謙と結婚した後だったため特別出演という形で名を連ねた。他にも北原三枝(後の石原裕次郎夫人)が端役で出演している。本作では野球(後楽園球場でのロケ)、パチンコ、競輪など昭和20年代の庶民の娯楽、ラーメンやトンカツ(「カロリー軒」は小津監督の他作品にも登場)といった当時の人々の食生活がうかがえる。小津は後に「ぼくは女の眼から見た男、顔形がどうだとか、趣味がいいとか言う以外に、男には男の良さがあるということを出したかった。しかしあまり出来のいい作品ではなかった。」〔「小津安二郎 自作を語る」(キネマ旬報別冊 小津安二郎 人と芸術 1964年2月増刊号)〕と振り返っている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「お茶漬の味」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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