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『かげろふの日記』(かげろうのにっき)は、堀辰雄の中編小説。全8章から成る。平安時代の女流日記『蜻蛉日記』を原典にした作品である〔「解題」(『堀辰雄全集第2巻』)(筑摩書房、1977年)〕〔『蜻蛉日記』の上・中巻を原典としている。〕。愛されることはできても、愛することを知らない男に執拗に愛を求めつづけ、その不可能を知るに及び、せめてその苦しみを男に解らせようとするが、遂にはそれにも絶望し、自らの苦しみの中に一種の慰藉を求めるにいたる不幸な女の物語〔堀辰雄「山村雑記」(のち「七つの手紙」)(新潮 1938年8月号に掲載)〕。堀が日本古来の王朝女流文学に深い傾倒を示した作品群の一作目にあたり、リルケ体験を通して日本の古典文学を現代に蘇らせて、「恋する女の永遠の姿」を描いている〔丸岡明「解説」(文庫版『かげろふの日記・曠野』)(新潮文庫、1955年)〕〔縄田一男「作品解題」(『純愛――時代小説の女たち』)(角川書店、1992年)p.396〕〔『新潮日本文学アルバム17 堀辰雄』(新潮社、1984年)〕。また、『聖家族』などに見られる「苦しめ合う愛」のモチーフも見受けられる作品でもある〔山本裕一「堀辰雄『かげろふの日記』小論――他者の自覚」(別府大学国語国文学、2004年12月) 〕。 == 発表経過 == 1937年(昭和12年)、雑誌『改造』12月号(第19巻第14号)に掲載された。単行本は1939年(昭和14年)6月3日に創元社より刊行された〔。刊行の際に若干の改稿がなされ、初出の発表誌では、冒頭に「無名の女」から「***様」に宛てた、600字ほどの献げる言葉が置かれていたが、単行本刊行の際に削除されている〔。 なお、続編(「ほととぎす」)は、1939年(昭和14年)、雑誌『文藝春秋』2月号(第17巻第3号)に掲載され、上記の単行本に同時収録された〔。のち1946年(昭和21年)7月15日に養徳社より刊行の『曠野抄』の収録された〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「かげろふの日記」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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