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狐の嫁入り(きつねのよめいり)は、日本の本州・四国・九州に伝わる怪異。「狐の嫁入り」といわれるものには、昭和中期頃までの嫁入り行列の提灯の群れを思わせる夜間の無数の怪火、俗にいう天気雨、古典の怪談、随筆、伝説などに見られる異様な嫁入り行列などがある。いずれも伝承上で人間を化かすといわれたキツネと密接な関連があり、平成以降の現代においても、それらにちなんだ神事や祭事が日本各地で開催されている。本項ではそれぞれについて述べる。 == 怪火としての「狐の嫁入り」 == 宝暦時代の越後国(現・新潟県)の地誌『越後名寄』には、怪火としての「狐の嫁入り」の様子が以下のように述べられている。 ここでは夜間の怪火が4キロメートル近く並んで見えることを「狐の婚」と呼ぶことが述べられており、同様に新潟県中頚城郡や同県魚沼地方、秋田県、茨城県桜川市桜川市、同県西茨城郡七会村(現・城里町)、同県常陸太田市、埼玉県越谷市や同県秩父郡東秩父村〔、東京都多摩地域、群馬県〔、栃木県、山梨県北杜市武川村、三重県〔、奈良県橿原市、鳥取県西伯郡南部町などで、夜間の山野に怪火(狐火)が連なって見えるものを「狐の嫁入り」と呼ぶ〔。 地方によっては様々な呼び名があり、同様のものを埼玉県草加市や石川県鳳至郡能都町(現・鳳珠郡能登町)では「狐の嫁取り(きつねのよめとり)」といい、静岡県沼津市などでは「狐の祝言(きつねのしゅうげん)」とも呼ぶ。 日本で結婚式場の普及していなかった昭和中期頃までは、結婚式においては結婚先に嫁いでゆく嫁が夕刻に提灯行列で迎えられるのが普通であり、連なる怪火の様子が松明を連ねた婚礼行列の様子に似ているため、またはキツネが婚礼のために灯す提灯と見なされたためにこう呼ばれたものと考えられている。嫁入りする者がキツネと見なされたのは、嫁入りのような様子が見えるにもかかわらず実際にはどこにも嫁入りがないことを、人を化かすといわれるキツネと結び付けて名づけられた〔、または、遠くから見ると灯りが見えるが、近づくと見えなくなってしまい、あたかもキツネに化かされたようなため〔、などの説がある。 かつて江戸の豊島村(現・東京都北区豊島、同区王子)でも、暗闇に怪火が連続してゆらゆらと揺れるものが「狐の嫁入り」と呼ばれており、これは同村に伝わる「豊島七不思議」の一つにも数えられている。 新潟県の麒麟山にもキツネが多く住み、夜には提灯を下げた嫁入り行列があったといわれる。この新潟や奈良県磯城郡などでは、狐の嫁入りは農業と結び付けて考えられており、怪火の数が多い年は豊年、少ない年は不作といわれた〔。これについては、狐火がリンの発光と考えられていたことから(狐火#正体も参照)、狐火の多い時期には、農作物の生育に必要不可欠なリンが土中に多く生成されていたとも考えられている。 地域によっては怪火が見えるだけではなく、実際に嫁入りの痕跡が見られるという伝承もある。埼玉県行田市では、谷郷の春日神社に狐の嫁入りがよく現れるといい、そのときには実際に道のあちこちにキツネの糞があったという〔。岐阜県武儀郡洞戸村(現・関市)では、怪火が見えるだけではなく、竹が燃えて裂ける音が聞こえるなどが数日続き、確かめてもそんな痕跡はないといわれた。 徳島県では、こうした怪火を嫁入りではなくキツネの葬式とし、死者の出る予兆としている〔。 これらの怪火の正体については、実際の灯を誤って見たか、異常屈折の光を錯覚したものとも考えられている〔。また戦前の日本では「虫送り」といって、農作物を病害から守るため、田植えの後に松明を灯して田の畦道を歩き回る行事があり、狐の嫁入りが田植えの後の夏に出現する、水田を潰すと見えなくなったという話が多いことから、虫送りの灯を見誤ったとする可能性も示唆されていている〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「狐の嫁入り」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Kitsune no yomeiri 」があります。 スポンサード リンク
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