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アカモク(学名: () 〔)は、褐藻綱ヒバマタ目ホンダワラ科に属する海藻である〔。北海道(東部を除く)から日本全土の漸深帯(浅海)に分布し、朝鮮半島、中国及びベトナム北部にまで分布する〔吉田忠生 『新日本海藻誌:日本産海藻類総覧』 内田老鶴圃、1998年、初版、ISBN 4753640493、pp.386-387.〕。1年生で、秋から冬に生長し、4-7mの長さに達する〔〔。雌雄異株である(まれに雌雄同株の個体がある)〔。 秋田県では「ギバサ」、山形県では「銀葉藻(ギンバソウ)」、新潟県では「長藻(ナガモ)」と呼び食用にする。 == 特徴 == 付着器は仮盤状で、この付着器から分枝しない茎が1本生じ、数mの長さになる〔。この茎には縦の溝が数本あり、また短い刺を生じる〔。枝は茎につく葉の葉腋から生じ、茎と同様に葉をつける〔吉田忠生 「8 ヒバマタ目類」『有用海藻誌』 大野正夫 編、内田老鶴圃、2004年、初版、ISBN 4-7536-4048-5、pp.125-127.〕。茎の古い部分では葉が脱落するため、直接茎から枝が生じているように見える〔。 葉は膜状で線形から披針形で、その縁は鋸歯縁ないし中肋に達する切れ込みで羽状になるものもある〔。葉は長さ7cm、幅1.5cmになる〔。この葉の形態には地域差があって、関東地方から静岡県などでは葉の切れ込みが浅く鋸葉縁となり、日本海から瀬戸内海に分布する個体群では葉の切れ込みが深く中肋に達し羽状となるという差がある〔。葉の中肋ははっきりしており、葉柄はやや扁圧して基部が托葉状に広がる〔。基部に近い葉では葉柄や中肋に刺をつけることもある〔。 気胞は円柱状で通常の葉に似た冠葉をつけ、短い柄を持つ〔。 雌雄異株がふつうであるが、まれに雌雄同株の個体も見られる〔。 生殖器床の付き方は枝の末端部に単独または総状につき、その形状は円柱状で先端が細くなっている〔。雌の生殖器床は太く、長さ2-3cm、直径3mmになるが、雄の生殖器床は細長く、長さ 4-7cm、直径 2mmである〔。まれに見られる雌雄同株の場合には、シダモク ( Harvey) と同様に基部がくさび形であることで違いがあり、この部分に雄の生殖器巣があり、上部の大部分には雌の生殖器巣がある雌雄同株となっている〔。 アカモクは1年生で、ふつう秋から冬にかけて生長し、本州中部では冬から春に成熟し、日本北部では7月頃に成熟期を迎える〔。また、瀬戸内海などでは春に成熟する個体群と秋に成熟する個体群がある〔。生命力が強いことから、漁場での網や漁船のスクリューならびに養殖施設などに絡みつくことがあるため、漁師の間では『邪魔モク』と揶揄され厄介者扱いされている〔。 北海道東部を除く日本全国のほか、朝鮮半島から中国、ベトナム北部にまでの漸深帯に分布する〔。 類似種にシダモクがあるが、気胞の形状が異なっていて、アカモクは円柱状であるのに対し、シダモクは球形から楕円体であることから、区別することができる〔。けれども、気胞を形成する前の若い個体ではこの 2種はほとんど区別がつかない〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「アカモク」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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