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『さよならを待つふたりのために』(原題:''The Fault in Our Stars'')はジョン・グリーンが執筆し、2012年1月に出版されたアメリカ合衆国の青春小説である。 本作のタイトルはウィリアム・シェークスピアの戯曲『ジュリアス・シーザー』の第1幕第2場において、キャシアスがブルータスに言った台詞「The fault, dear Brutus, is not in our stars, But in ourselves, that we are underlings. 」(だから、ブルータス、おれたちが人の風下に立つのは運勢の星が悪いのではない、罪はおれたち自身にある)〔ウィリアム・シェークスピア『ジュリアス・シーザー』23頁 小田島雄志訳、白水社、1983年〕からとったものである。 ==あらすじ== 本作はインディアナ州インディアナポリスを舞台としている。16歳のヘイゼル・グレイス・ランカスターは母親フラニーの命令で渋々がん患者の集まりに出ることになった。ヘイゼルはがんのために呼吸することもままならず、携帯型の酸素ボンベを使用しなければならなかった。集まりで、ヘイゼルは一人の男の子に目を留める。そして、集まりでの話の中で、彼の名前がオーガスタス・ウォーターズだと知った。オーガスタスは友人であるアイザックのサポート役として集まりに参加していた。アイザックは目に腫瘍ができたために、片方の目を摘出していたが、もう片方の目にも腫瘍ができたため、摘出しなければならない状況にあった。集まりが終わった後、オーガスタスはヘイゼルに、「君は『Vフォー・ヴェンデッタ』に出ていたナタリー・ポートマンに似ているね。」と話しかけた。オーガスタスはヘイゼルを映画鑑賞しようと自宅に誘った。移動中、2人はがんに関する話をした。ヘイゼルは自分の甲状腺がんが肺に転移したことを明かした。オーガスタスは骨肉腫を患っていたが、足を切断して以降はがんの再発はないといった。オーガスタスがヘイゼルを自宅に連れていく前に、2人はお互いのお気に入りの小説を読むことにした。オーガスタスは『''The Price of Dawn''』を渡し、ヘイゼルは『''An Imperial Affliction''』を薦めた。 ヘイゼルは『''An Imperial Affliction''』を読んでいる理由を「この本はアンナというがんを患った少女の話なの。がんを抱えて生きるアンナの姿が私の今の状態と重なっているのよ。」とだけ語った。また、「この本は腹立たしいことに途中で終わっているの。そのせいで本のキャラクターがどうなったかを知ることができない。」と不満を口にした。ヘイゼルは『''An Imperial Affliction''』の謎めいた作者、ピーター・ヴァン・ホーテンに思いをはせる。ピーターはこの本の刊行後、オランダのアムステルダムへ行ってしまい、それ以来音沙汰がないのである。 ヘイゼルとオーガスタスが『''An Imperial Affliction''』の内容の解釈について語り合ってから一週間後、オーガスタスは偶然にもヴァン・ホーテンのアシスタントを務めていたリドヴィッチの居場所を知る。リドヴィッチを通してオーガスタスは人目を避けて暮らしているヴァン・ホーテンとEメールでのやり取りを始めた。オーガスタスはヘイゼルにもヴァン・ホーテンからのメールを見せた。ヘイゼルはあいまいな結末を迎えた小説の結末が知りたくて、ヴァン・ホーテンへの質問を書いて送った。ヘイゼルはアンナの母親がどうなったかに最も大きな関心を持っていた。「もしもアンナの母親が娘の死後も生き続けているのならば、私の両親も自分が死んだあと、元気にやってくれるだろう。」と考えたのである。結局、ヴァン・ホーテンはヘイゼルの質問には直接会って答えたいと返信してきた。 間もなく、オーガスタスはヘイゼルをピクニックに誘った。そこで、彼は入念にオランダ旅行を計画しており、がんを患う子供の願いを叶える慈善団体からの支援を受けられることをヘイゼルに伝えた。その旅行中にアムステルダムにいるヴァン・ホーテンと会おうというのだ。ヘイゼルは興奮したが、オーガスタスに顔を撫でられてためらいを感じるようになった。ヘイゼルはオーガスタスのことが好きだと自覚したのだ。しかし、自分が死んだときオーガスタスが悲しむことも想像できた。ヘイゼルは自分が手榴弾のようなものだと感じた。 ヘイゼルはオーガスタスに自分の気持ちを伝えるべきか悩んでいた。そんな中、彼女は自分の肺に水がたまっていることを知り、ICUに入った。峠を越したとき、ヘイゼルはオーガスタスが病院の待合室から離れようとしないことを知った。オーガスタスはヘイゼルにヴァン・ホーテンからのもう一通の手紙を届けたかったのだ。それはこの前の手紙よりも個人的で謎めいたことが書かれていた。手紙を読んだヘイゼルは以前にもましてアムステルダムへ行きたいという思いが強くなった。しかし、問題があった。両親と医師たちがヘイゼルは旅行できるほどの体力はないとして、オランダ行きに反対したことだった。絶望的な状況だと思われたが、ヘイゼルのような症例をよく知る内科医マリアが現われたことで一変する。マリアは「ヘイゼルはオランダに行くべきだ。彼女には自分の人生を生き抜く権利がある。」と言ってヘイゼルの両親を説得してくれた。 オーガスタス、ヘイゼル、フラニーの3人でアムステルダムへ行くことになった。ヘイゼルとオーガスタスはヴァン・ホーテンに会ったが、もはや彼は豊かな才能を持つ作家ではなく、けち臭い酒飲みに落ちぶれていた。ヴァン・ホーテンはヘイゼルのどの質問にも答えられないという。そのため、2人は大いに失望してヴァン・ホーテンの家を離れた。そして、ヴァン・ホーテンの行動に恐れをなしたリドヴィッチを伴ってアンネ・フランクの家を訪れた。旅行の終わりに、ヘイゼルとオーガスタスはロマンティックなムードの中でキスをしてみていた人々から喝采を浴びた。それから2人はホテルに戻り、愛し合った。 次の日、オーガスタスはヘイゼルがICUにいる間に検査を受けたところ、がんが再発して全身に転移していたということをヘイゼルに伝える。3人はインディアナポリスに戻った。オーガスタスの病状が悪化するにつれて、彼は生来の魅力と自信を失っていった。彼は傷つきやすくなり、臆病になった。しかし、ヘイゼルの心の中では、オーガスタスはそれでも美しい少年だった。こうした状況の中で、ヘイゼルはオーガスタスを彼の両親がそう呼ぶように「ガス」と呼び始めた。ヘイゼルは今まで以上にオーガスタスのことを愛している自分に気が付くのだった。オーガスタスの病状は急速に悪化していった。死期を悟ったオーガスタスはアイザックとヘイゼル同席のもと、自分の生前葬を行った。ヘイゼルはヴァン・ホーテンの小説中の言葉を引用して大きくもあり小さくもある無限について話した。ヘイゼルは自分がどれほどオーガスタスを愛しているのかを語り、残りの時間をオーガスタスと過ごすことは何物にも代えることができないと言った。 その8日後、オーガスタスは息を引き取った。ヘイゼルはオーガスタスの葬式にヴァン・ホーテンがやってきたのを見て驚いた。ヴァン・ホーテンの説明によると、彼とオーガスタスはオランダであった後もメールのやり取りを続けていて、オーガスタスは彼に自分の葬式に来てヘイゼルに会うことでアムステルダムへの旅行を台無しにしたことを埋め合わせてくれと言ったのだ。ヴァン・ホーテンはヘイゼルにアンナの母親の運命を抽象的な形で示したが、彼女はもう興味を失っていた。 数日後、ヘイゼルはアイザックからオーガスタスが書き遺した自分あての手紙があることを知らされる。そしてその中には・・・。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「さよならを待つふたりのために」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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