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『しりぞけ、もの悲しき影』(Weichet nur, betrübte Schatten)」BWV202は、ヨハン・ゼバスティアン・バッハが作曲した世俗カンタータの一つ。通称は「結婚カンタータ(Hochzeitskantate)」。成立年代は不明で、親しい知人の結婚式を祝うための作品であったと考えられている。全9曲からなり、ギリシャ神話を題材にした上品な作品で、ソプラノ用の独唱曲であることから、数多くのソプラノ歌手が挑戦してきた作品である。 ==概要== 孫弟子のヨハネス・リンクの筆写譜で伝承されている。リンクは「1730年」と記載しているが、それは筆写した年であって初演の年ではないといわれる。作品のスタイルを勘案すると、実際の成立はもっと古く、ケーテン時代(1717-1723年)に遡るとするのが定説である。さらに遡ってヴァイマル時代の作品である可能性を示唆する学者もいる。 したがって台本作者も不明である。ヴァイマル時代であればザロモン・フランクが最有力候補だが、物的証拠はまったくない。ケーテン時代であれば、台本作者が判明したケーテン時代のカンタータは一曲もないので、まったく手がかりがない状態である。山野に春が到来し、ギリシャ神話の神々が恋人達を結婚に誘う台本となっている。登場人物の相克や調和といった劇的なストーリー展開はなく、同じ舞台で起きた出来事を時系列で追いながら、前半は神々の力による愛の成就、後半は結婚後の将来に対する教訓を展開している。 器楽はオーボエ1本と弦楽器、通奏低音という必要最低限のもの。したがって予算や演奏者に糸目をつけない名士相手の作品とは考えられない。ごく親しい知人の旅立ちに花を添える作品であろうと推察されている。成立年代が判明していないため、この作品を贈られた夫婦も判明していない。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「しりぞけ、もの悲しき影」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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