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『その可能性はすでに考えた』(そのかのうせいはすでにかんがえた)は、井上真偽による日本の推理小説。 2015年9月9日に講談社〈講談社ノベルス〉より書き下ろしで刊行された〔その可能性はすでに考えた|講談社BOOK倶楽部 〕。ブックデザインは、熊谷博人・釜津典之による。カバーデザインは、坂野公一(welle design)による〔その可能性はすでに考えた | welle design 〕。カバーイラストは丹地陽子が手がけている〔。 2016年度第16回本格ミステリ大賞候補に選ばれる〔本格ミステリ作家クラブ 〕。「本格ミステリ・ベスト10」2016年版(国内部門)5位、『ミステリが読みたい! 2016年版』(国内編)5位、『このミステリーがすごい!』(2016年、国内編)14位、「週刊文春ミステリーベスト10」(2015年、国内部門)15位、「キノベス!2016」28位など、各種ミステリ・ランキングにランクインしている〔紀伊國屋書店「キノベス!2016」発表 | 共同通信PRワイヤー 〕。黄金の本格ミステリー(2016年)に選出されている。 井上は「本作のミステリ的なテーマは『否定』である。事件だけでなく、『いかに仮説を否定するか』の部分でもパズラー的な妙味を出したかった」と述べている〔『その可能性はすでに考えた』井上真偽|あとがきのあとがき|講談社BOOK倶楽部 〕。 評論家の遊井かなめは、「いわゆる多重解決ものという意匠を取り入れた作品であり、多重解決にひねりを効かせた意欲的な作品」と評している〔遊井かなめ Twitter | その可能性はすでに考えた 〕。小説家の辻真先は、「メフィスト賞を受賞した前作も面白かったが、本作では、さらに旗幟鮮明なロジック合戦が繰り広げられている」と評している〔辻真先 Twitter | その可能性はすでに考えた 〕。 == あらすじ == ある日、渡良瀬莉世が上苙の探偵事務所を訪れる。依頼の内容は、莉世が過去に人を殺したかどうかを推理してほしいというものだった。莉世は、幼い頃の記憶を話し始める。 莉世は、小学校に入学した直後に、新宗教団体〈血の贖い(アポリュトローシス)〉の村へ母親に連れていかれて、そこでしばらく生活していた。その村は、まわりを高い崖に囲まれた山奥の秘境で、脱出することが極めて困難な刑務所のようなところで、そこには教祖と信者あわせて33人が暮らしていた。村での生活は、いろいろな決まりがあるなど、嫌なこともあったが、堂仁が莉世に優しく接してくれることがうれしかったという。莉世は、〈拝日の祠〉にある祭壇の花や供物を取りかえる巫女の役目を任されていた。また彼女は、心の支えとしている仔豚を祠で隠れて飼うことにした。「脱出するときは、仔豚も一緒に連れていこう」と、莉世が堂仁と話していたとき、村を地震が襲う。その直後、祠のそばにある滝が涸れているのに莉世は気づく。地震の後、教祖は村の唯一の出入り口である〈洞門〉を爆破して塞いでしまう。そして、教祖の〈禊〉が行われ、拝殿の前に信者全員が集まって、お祈りを唱えていたとき、莉世は、信者の首を斬って回る教祖の姿を目撃したという。その後、莉世は堂仁に連れ出される。気を失った莉世が目覚めたとき、彼女は〈拝日の祠〉にいることに気づき、そこには堂仁の生首と首のない胴体が転がっていたという。そうしたことから、莉世は自分が堂仁を殺してしまったのではないか、と考える。莉世と堂仁以外は全員、外から施錠された拝殿に閉じ込められており、当時の莉世には、拝殿の閂は、重くて動かせなかったという。また、堂仁はギロチンで首を斬られていたが、ギロチンの刃も堂仁の胴体も莉世に運べたはずはないという。莉世は、地震で足を骨折し、松葉杖とギプスをしている身であったのだ。 そして莉世は、ある仮説を口にする。堂仁は首を斬られた後、莉世を抱いて祠まで運んだのではないか、と。莉世は、祠まで行く途中、堂仁の首を抱いていたような気がしていたという。早速、上苙は調査を開始する。そして、人知の及ぶあらゆる可能性を否定することで、〈奇蹟〉が成立することを証明しよう、と言う。上苙は、全ての可能性を否定することなど不可能だ、とする大門と、東京都の多摩地域にある深大寺という古刹で議論の勝負をすることになる。大門が仮説を提示するが、上苙はその説を反証する。続いて、横浜の中華料理店で、リーシーと推理対決をすることになるが、彼女が提示した仮説を上苙はひっくりかえす。次に八ツ星が仮説を提示するが、これも上苙が反証する。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「その可能性はすでに考えた」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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