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松かさ(まつかさ、、)とは、松(マツ科マツ属)の果実のようなもの(毬果あるいは球果)のことである。松毬、松傘、松笠とも書き、「松毬」は「ちちり」「ちちりん」とも訓読する。まつぼっくり、松ぼくりともいう。これは、「松陰嚢(まつふぐり)」が転訛した語である。「松ぼくり」は晩秋・植物に分類される季語となっている。 英語の "" (パイナップル、パインアップル)は、本来は「松の果実」という名前の通り松かさのことであったが、後に松かさに似た別の果物、すなわち現在のパイナップルを指すようになった(この場合の“apple”は、リンゴではなく単に果実を意味する)。 == 構造 == アカマツやクロマツの種子は、雌花を構成する鱗片の裏面につく。この鱗片は、主軸に螺旋状につき、全体としては卵形、あるいは卵状楕円形の塊になる。その外面は鱗片の先端の広がった部分によって覆われ、種子の位置する鱗片のすき間は、鱗片先端が膨らんで、互いに密着することで、その内部に閉じこめられ、外から見ることはできない。これが松かさである。 種子を中に含む構造という点では果実に類似するが、雌しべの子房に由来する真の果実ではない。種子の成熟には2年かかるので、マツの枝を観察すると、先端に今年の雌花、1年枝の根元に昨年から成長した未熟な松かさ、更に下には種子を放出した後の松かさがついているのが確認できることがある。種子を放出してしばらくすると、松かさは根本からはずれて地上に落ちる。このとき、松かさは大きく開いてやや球形に近くなる。 一般に二・三葉マツ(''Pinus''亜属 )の球果は硬く卵型、五葉マツ(''Strobus''亜属)のそれは軟らかくカプセル型で素手でも容易に分解できる傾向がある。ただし、''Ducampopinus''亜属のものは五葉でも卵型で硬いものがあり、この葉の数では完全に分類できない File:Pinus albicaulis Sniezko2.jpg|''P. albicaulis''(五葉、''Strobus''亜属) File:Pinus aristata cone.jpg|''P. aristata''(五葉、''Ducampopinus''亜属) File:Zapfen-arve-tannenhaeher.jpg|動物に食べられた''P. cembra''の球果(五葉、''Strobus''亜属) File:Pinus lambertiana cones Cucamonga Peak.jpg|最大60cmにもなる''P. lambertiana''(五葉、''Strobus''亜属) file:Pinus pumila conifer cone.JPG|ハイマツ(''Strobus''亜属) File:Pinus-pungens-04.JPG|''P. pungens''(二葉、''Pinus''亜属) File:Pinus banksiana cone.jpg|''P. banksiana''(二葉、''Pinus''亜属) file:Tsumago-juku, Nagiso, Nagano, Japan (3599669155).jpg|アカマツ(''Pinus''亜属) file:Pinus thunbergii conecluster.jpg|クロマツ(''Pinus''亜属) 同じくマツ科のモミ属(''Abies'')、トウヒ属(''Picea'')、カラマツ属(''Larix'')やツガ属(''Tsuga'')など、あるいはコウヤマキ(コウヤマキ科)などもよく似た松かさを作る。形や大きさは種によってさまざまである。それぞれその形態には特徴があり、それによって属や種の判断ができる。モミの場合、種子を放出するときに鱗片がバラバラになるため、松かさの姿で地面に落ちることはない。 ファイル:Tsuga-sieboldii-cone.jpg|ツガ(ツガ属) ファイル:Sciadopitys verticillata cones.jpg|コウヤマキ(コウヤマキ科) 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「松かさ」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Conifer cone 」があります。 スポンサード リンク
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