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なます : よみがなを同じくする語



なます ( リダイレクト:膾 ) : ウィキペディア日本語版
膾[なます]

(なます、音読みでは「カイ」、ピンインでは''kuài'')」は切り分けた獣肉や魚肉に調味料を合わせて生食する料理をさす。
獣肉を用いた物は「膾」、魚肉を用いて同様の調理をしたものは「鱠」、また「魚膾」ともいった。
日本では魚介類や野菜類、果物類を細く(あるいは薄く)切り、を基本にした調味料で和えた料理に発展した。日本の膾については酢の物ともよばれる。
== 古代中国における膾について ==
もともとは細切りの生肉・生魚のことを指す〔漢書東方朔伝に「生肉為膾」(生肉を膾とする)という記載が、礼記に「肉腥細為膾」(肉や魚の細切れを膾とする)という記載がある。〕。春秋時代においては、これら細切りの生肉・生魚にからし菜などの薬味や酢をつけて食べていた。孔子は肉の膾を好んだという〔 43P〕。
当時は〔焙った肉の意 。〕と共に著名な料理法として知られた。孟子では「おいしい物」の例として「膾炙」をあげている〔孟子、尽心の章〕。
の時代になると、などの家畜や野獣を膾にする事は少なくなり、もっぱら魚肉が具材として使われるようになった。本来魚肉を使った膾は「鱠」の字を使うべきだが、しばしば混同され「膾」が使われた。この頃も膾は一般的な料理として知られており、膾(生魚)を食べない村が「奇異な風俗習慣」として記録に残るほどであった〔漢代に應劭が記した「風俗通義」という書物には「祝阿(現在の山東省斉河県祝阿)という土地で生魚を食べない奇異な風俗がある」と記録が残っている。なお隋書地誌伝にも同様の記載が残っており、隋代にも同様の風習が残っていた事がわかる〕。
南北朝時代になると「金斉玉膾」という料理が登場する。これは「八和斉」〔「八和斉」については北魏の農書、斉民要術に作り方が載っている(Wikisourceの該当箇所へのリンク )。それによると「蒜」(ニンニクもしくはラッキョウ)、「薑」(ショウガ)、「橘」(タチバナ)、「白梅」(ウメ)、「熟粟黃」(蒸したか?)、「粳米飯」(米飯)、「鹽」(食塩)、「醬」(醤油)という八種の材料を混ぜて作った物のようである。〕という調味料を魚の膾にかけた料理で隋の煬帝も好んだ料理であった。
以降の時代も膾を食べる習慣は続いたが、明代になると次第にその習慣が失われるようになり、清代には一部の地域を除き生肉を膾にして食べる習慣は失われた。現代では中国東北地区にある満州族ナナイ族の一部村落や、南方に住む漢族の一部が魚の膾を食べる習慣を残すのみとなっている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Kuai (dish) 」があります。




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