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どぶろく(濁酒、濁醪)とは、発酵させただけの白く濁った酒。十二六(どぶろく)と書いたりもろみ酒、濁り酒(にごりざけ)ともいう。炊いた米に、米こうじや酒粕に残る酵母などを加えて発酵させることによって造られる、日本酒(清酒)の原型である。 == 概要 == どぶろくは、米を使った酒類では最も素朴な形態と言われる。一般の酒店でも購入可能な濁り酒に近い。これを沈殿濾過することで清酒を作ることも可能だが、清酒になる程には漉さずに飲用する。清酒に比べ濾過が不十分であるため、未発酵の米に含まれる澱粉や、澱粉が分解した糖により、ほんのり甘い風味であるが、アルコール度は清酒と同程度の14 - 17度にもなるため、口当たりの良さがあだとなってつい飲み過ごして悪酔いしやすい。また、酒造メーカーが販売している「にごりざけ」は、通常の醪(もろみ)を粗漉しするといった濾過などの工程が必ず入るので、「清酒」の一種である。 どぶろくは明治以降、違法行為(酒税法違反)となったため、転じて密造酒の別名としてこの言葉が用いられることもある。このことから隠語で呼ばれることも多くどぶや白馬(しろうま)、溷六(どぶろくまたはずぶろく)といった呼び方も地方によっては残されている。なお溷六と書くと、泥酔状態にある酔っ払いのことを指す別の言葉にもなる。 現在は酒税法に基く酒類となっているため、醸造にあたっては関係当局への許可申請が必要となっており、許可を得られれば、どぶろくの醸造を行うことができる。また、簡単な道具を用いて家庭で作ることも可能である。しかし、日本では酒税法によって許可なく酒類〔酒税法にいう「酒類」とは、アルコール分1度以上の飲料をいう(2条1項)。〕を製造することは禁じられる〔どぶろくは、酒税法の「その他の醸造酒」(3条19号)、旧酒税法や一部の財務省令の「濁酒」に該当する。〕〔酒税法7条1項、8条、54条1項〕。酒税法上の罰則規定に拠れば、製造するだけでも5年以下の懲役または50万円以下の罰金となっている。しかし、どぶろくは日本の伝統食文化であり、これを禁ずるのは精神的自由権、職業選択の自由など憲法に違反するとして酒づくりの自由化を主張したどぶろく裁判なども行われた。この裁判で原告の前田俊彦は敗訴したが、その後も自家醸造の自由化を求める動きも根強く〔『農家が教えるどぶろくのつくり方』〕、どぶろく特区が設置されるなど酒税法の見直しもすすんでいる。 なおフランスやドイツ、イタリアなどでは自家醸造を禁止したことはなく、かつて自家醸造を禁止していたイギリスは1963年に、同じく禁止していたアメリカ合衆国も1979年に解禁した〔『農家が教えるどぶろくのつくり方』,p97〕。なお、アメリカではワインの自家醸造は1933年に解禁されている〔。韓国では1909年に日本によって自家醸造が禁止され、また戦後、日本から独立した後にも1965年に自家醸造が禁止されたが、アメリカからの要請で小麦粉からの醸造が解禁された後、1992年にはコメによる醸造も解禁され、日本のどぶろくに相当するマッコリは韓国の輸出品として日本でも一般的に飲まれるようになっている〔マッコリ#変遷〕。また韓国ではマッコリの自家醸造キットなども販売されている。中国では、販売しなければ自家醸造は自由である〔。日本ではどぶろく作りを解禁しようという動きもあるものの、解禁には至っていない。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「どぶろく」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Nigori 」があります。 スポンサード リンク
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