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山童(やまわろ、やまわらわ)は、九州を始めとする西日本に伝わる山に出る妖怪。河童(かっぱ)が山の中に入った存在であるとも言い伝えられている。熊本県芦北郡では、やまわろのほかにやまんもん、やまんと、やまんわっかし(山の若い衆)、やまんおじやん(山の伯父やん)など、また同県球磨郡では山ん太郎、やまんぼ(山ん坊)とも呼ばれる〔。 山𤢖(やまわろ)とも記される。「山𤢖」(さんそう)とは本来、中国に伝わる妖怪の名である〔。 == 概要 == 江戸時代の『和漢三才図会』には、九州の山奥に住み、姿は10歳程度の子供のようで、頭には柿褐色の長い頭髪を生やし、全身が細かい毛に覆われている。胴は短く、2本の長い脚で直立して歩き、人の言葉を話すという特徴の記述がある。同書(杏林堂版)では筑前国(福岡県)や五島列島に山童がいるとも記されており、姿は人のようで顔はまるく、髪は赤くて長く目にまでかかり、耳は犬のようにとがり、鼻の上に目が一つあり、カニやトコロ、コウゾの根を食すという特徴も記されている〔寺島良安 『和漢三才図会』6、島田勇雄・竹島純夫・樋口元巳訳注、平凡社〈東洋文庫 466〉、1986年、152 - 153頁。ISBN 978-4-582-80466-9。〕。 熊本県では、山童は大工仕事に使われる墨壺(すみつぼ)が嫌いで、山の仕事場の周囲に墨壺をつかって墨の線を打っておくと近寄って来ることはないとされている〔。 山中で樵(きこり)の仕事を手伝ってくれることがあり、そんな時に礼として酒やにぎり飯をあげると繰り返し手伝ってくれるという。山童に渡す礼の品物は、必ずはじめに約束した物でなければならないく、違う物を渡すと山童は非情に怒る。また、仕事前に礼を渡すと食い逃げをされてしまう事もあったという。熊本県葦北郡では山仕事が多いとき「山の若い衆に頼むか」と言って山童に頼むという〔。 河童と同じく、相撲をとったり、牛や馬に悪戯を働くことを好むともいう。また、人家に勝手にあがりこんで風呂に入ってゆくこともあったという〔、山童などが入浴をした湯船には脂(あぶら)が浮いて汚れ、とても臭かったという〔松谷みよ子『現代民話考〈1〉河童・天狗・神かくし』筑摩書房〈ちくま文庫〉、2003年4月、173頁。ISBN 978-448-003811-1。〕。 天狗倒しや山中での怪異は、東日本では山の神や天狗の仕業とされることが多いが、西日本では山童の仕業とされることもある。天狗倒しのような現象(大きな木が倒れて来るような音を発する)は山童自身が発しているとされ、熊本県では倒木や落石の音のほかに、人間の歌を真似たり、畚から土を落とす音や、ダイナマイトによる発破の音までもさせたという話がある〔〔松谷みよ子『現代民話考〈1〉河童・天狗・神かくし』十五「河童の声、歌、物音、足あとなど」193-197頁。歌は歌詞までは真似られなかったとされる。〕。ただし、天狗の仕業さとれる事が皆無というわけではなく熊本県小国など、山童の伝承が無く、天狗の仕業であるとしている地域も見られる〔丸山学「山童」 谷川健一編 『日本民俗文化資料集成 妖怪』三一書房 1988年、17 - 39頁。ISBN 4-380-88527-5。〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「山童」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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