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るい痩症 ( リダイレクト:るいそう ) : ウィキペディア日本語版
るいそう[しょう]

るいそう(羸痩、, )とは、脂肪組織が病的に減少した症候をいう〔津田、VI.〔冒頭〕〕。いわゆるやせ(痩せ、leanness, thinness)の程度が著しい状態であり〔鈴木、1)〕、症候であることを強調するためにるいそう症〔『日本国語大辞典』第二版、13巻、小学館、2002年1月。〕、あるいは症候性やせ〔藤枝、7.〕などと称することもある。脂肪組織が過剰に蓄積した症候である肥満症(obecity)、あるいは症候性肥満(symptomatic obesity)と対極にある概念である〔出村、2)〕。
通常、脂肪組織が減少すると、それに伴って筋肉などの非脂肪組織も減少するが、脂肪組織のみが特異的に減少するリポジストロフィーのような例外もある〔『医学大辞典』第19版、南山堂、2006年3月。〕〔『内科診断学』、3章 §14 1. 金芳堂。〕。
関連する用語に体重減少(weight loss)が挙げられるが、厳密には別概念とみなすべきという意見もある〔。一方で体重減少が特に急激であったり、あるいは慢性化したりすると、るいそうに至るため〔〔、臨床的には体重を基準に診断を行うのが現実的である〔。また、乳幼児期においては、体重が減少しない場合であっても、単に体重の増加が不良であるだけで、速やかにるいそうをきたす〔。なお、飢餓による栄養失調(malnutrition)の状態を「るいそう」と総称することもある。
るいそうは、組織各部が萎縮(atrophy)し、体積が小さくなることによって生じると解釈することもできるが、先天的に組織の体積が小さいものは「」(hypoplasia)と呼び、区別される〔伊藤正男・井村裕夫・高久史麿 編『医学大辞典』第2版、医学書院、2009年2月。〕。また、小児における身長、体重、発達など全般的な発育の異常は、「成長障害」(failure to thrive)と呼ぶ〔。なお、るいそうは、成長障害を伴うことが多い〔。
るいそうや体重減少には、重要な疾患が背後に存在することも決して珍しいことではなく、早期に原因を検索し、適切に治療を行うことが必要となる。
== 用語 ==
「るいそう」は「羸痩」という漢語字音であるが、「」という漢字があまり一般的でないため、平仮名で表記されることが多い。「るいしゅう」という読み方もある〔。なお、「羸」は、「やせる」「よわる」「つかれる」などといった意味をもつ〔酒井恒『漢字医学用語』ミクス、1990年4月。〕。
ほぼ同義の用語に「削痩(さくそう)」がある。特に中国語においては、「羸痩()」よりも「削痩()」の方が一般的である〔日中英医学対照用語辞典編集委員会 編『日中英医学対照用語辞典』朝倉書店、1994年9月。〕。
英語の“emaciation”は、“emaciate”(やせさせる)の名詞形であり、ラテン語の“emacio”(やせ)がその語源になっており〔高久史麿 監『ステッドマン医学大辞典』第6版、メジカルビュー社、2008年2月〕、フランス語の“”がこれに対応する。また、英語における類義語の“wasting”も訳として日本語の「るいそう」があてられることもある〔〔。
ドイツ語の“”は、“”(やせた)の派生であり、英語の“meager”(貧相な)と語源を同じくする。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Emaciation 」があります。




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