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アイオロスの球(アイオロスのたま、aeolipile)またはヘロンの蒸気機関(ヘロンのじょうききかん、Hero engine)は、熱することでロケット〔NASA Glenn Learning Technologies Project (LTP) 〕のように噴射して回転するジェットエンジン〔jet engine 〕である。紀元1世紀ごろ、アレクサンドリアのヘロンがこの装置を文献に記し〔、多くの文献が彼が発明者だとしている。 ヘロンの描いたアイオロスの球は、世界初の蒸気機関または蒸気タービンとされている〔"turbine." Encyclopedia Britannica. 2007. Encyclopedia Britannica Online. 18 July 2007.〕。"aeolipile" の語源はギリシア語の "aeolos"(アイオロス)と "pila"(球)で、アイオロスはギリシア神話の風の神である。 アイオロスの球は、紀元前1世紀にウィトルウィウスが『建築について』で記述しているが、回転についての描写がないため、同じ装置を描写しているのか、アイオロスの球の元になった装置なのか不明である〔。 == 物理学的解説 == アイオロスの球は、球体や円柱のような単純な回転体の形状の容器であり、1つの軸を中心として回転するようになっている。そしてチップジェットのように複数のノズルが軸に対して放射状に配置されていて、それぞれの先端は回転方向の逆に曲がっている。その容器内を蒸気で加圧すると蒸気がノズルから排出され、ニュートンの運動の法則の第2および第3の法則の結果として、ロケットの原理で推力を生じる〔Aeolipile 〕 。ノズルはそれぞれ異なる方向を向いていて、軸受の軸線とは直角な作用線に沿って力を生じるため、それらの推力の合成が回転モーメント(機械的偶力)またはトルクとなり、容器が軸を中心に回転することになる。回転速度(rpm)が上がるにしたがって、空気抵抗と軸受の摩擦力が増大して回転トルクを消費し、最終的に一定速度で回転するようになる。 ヘロンが描いたように、容器を固定する台の部分が単純なボイラーになっていて、水を熱して蒸気を容器に供給するようになっている。この場合、ボイラーから容器に蒸気を供給する一対のパイプが軸の役目も果たす。容器自体をボイラーとする構成も考えられ、その方が全体の構造を単純化できる(図の学校で作ったアイオロスの球はそのような構成)。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「アイオロスの球」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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