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アシエンダ制[あしえんだせい] アシエンダ(、)とは、かつてのスペイン領のラティフンディオ(大土地所有)の一形態で、特にメキシコ、中米の一部、アンデス諸国で一般的にみられた伝統的な大農園を指す〔ラテン・アメリカを知る事典、p.22 アシエンダの項(辻豊治執筆)〕。ラプラタ地域(アルゼンチン、ウルグアイ、チリ南部)ではエスタンシア(:en:Estancia)とも呼ばれた〔"hacienda." ''Encyclopadia Britannica''. 2008. Encyclopadia Britannica Online. 2012年4月9日.〕。アシエンダの所有者は、アセンダード(hacendado)やパトロン(patrón)と呼ばれた。ブラジルにおけるこれに似た形態はファゼンダと呼ばれる。いくつかのアシエンダはプランテーションや鉱山でもあり、工場でさえある。多くのアシエンダはそれらの生産的活動を含んでいる。''、)とは、かつてのスペイン領のラティフンディオ(大土地所有)の一形態で、特にメキシコ、中米の一部、アンデス諸国で一般的にみられた伝統的な大農園を指す〔ラテン・アメリカを知る事典、p.22 アシエンダの項(辻豊治執筆)〕。ラプラタ地域(アルゼンチン、ウルグアイ、チリ南部)ではエスタンシア(:en:Estancia)とも呼ばれた〔"hacienda." ''Encyclopadia Britannica''. 2008. Encyclopadia Britannica Online. 2012年4月9日.〕。アシエンダの所有者は、アセンダード(hacendado)やパトロン(patrón)と呼ばれた。ブラジルにおけるこれに似た形態はファゼンダと呼ばれる。いくつかのアシエンダはプランテーションや鉱山でもあり、工場でさえある。多くのアシエンダはそれらの生産的活動を含んでいる。 == アシエンダの発祥 == 征服当初、先住民の人口は稠密で、スペイン人が土地を買おうとしても売ってもらえず、またエンコミエンダ制で物納される農産物で都市市場は飽和していたため、スペイン人が市場向け農業を行なっても儲けは見込めなかった〔ラテンアメリカ文明の興亡(世界の歴史18)、pp.42-43 〕。ところが16世紀半ばには先住民の人口が激減し、貢納が減り農産品は値上がりした〔。先住民の村落に増えた空き地をスペイン人が買い入れ、都市や鉱山向けの農業、牧畜経営を始めた〔。この時期にスペイン当局が植民者に土地を恩貸地として贈与したのがアシエンダの始まりで、16世紀末には土地所有権が確立した〔。アシエンダは本来は「財産」を意味する言葉であったが、地価の上昇とともに不動産として「土地」の意味に代わった〔。土地が極端に値崩れしていたため、アシエンダの面積は総じて広く、最低でも数百ヘクタール、過疎地のエスタンシア(牧畜アシエンダ)は数万ヘクタール規模であった〔。 18世紀になると先住民人口は回復傾向に至るが、先住民を労働力として確保したいアセンダードらは、土地を先住民に売り戻すことはなかった〔。こうしてアシエンダの広大な土地のすぐ隣に、先住民の土地は細分化され、経営は零細化する〔。この大土地経営と零細経営の併存した構造は今日のラテン・アメリカ農業まで恒常化した〔。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「アシエンダ制」の詳細全文を読む
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